ダイエットに取り組む人にぜひ読んで欲しい1冊が『医者が教えるダイエット 最強の教科書』だ。発売直後から売り切れが続出し、全国で大きな話題を呼んでいる。著者は、生活習慣病の専門医・牧田善二氏。最新の医学に基づき、最も効果的なダイエット法を解説した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。(初出:2021年7月5日)

医者が教えるダイエットPhoto: Adobe Stock

体重が何キロ以上だと肥満なのか?

 私は糖尿病の専門医として、長きにわたり、たくさんの患者さんを診てきました。

 私が医者になったばかりの頃は、糖尿病の患者さんは今ほど多くなく、「メタボ」などという言葉もありませんでした。

 しかし、あっという間に日本は糖尿病大国となり、それと歩調を合わせるように肥満者が増加しました。

 健康維持のためには、肥満を解消し、適切な体重を維持することが必須ですが、体重に気を使っていない人は非常に多いです。まずは、漠然とダイエットを始めるのではなく、自分にとって適切な体重が何キロなのか、しっかりと知っておきましょう。

 肥満度合いを判定するのに、世界で採用されているのがBMI(ボディマス指数)です。BMIは以下の計算式で導き出されます。

 BMI=【体重(kg)】÷【身長(m)×身長(m)】

 一例を挙げると、身長が160cmで体重が55kgの人なら、【55】÷【1.6×1.6】で、BMIは約21.5となります。

日本も立派な肥満大国

 肥満大国アメリカでは、BMI30以上を肥満と判定していますが、それはあまりにも緩すぎです。

 日本の基準は、「BMIが25以上だと肥満」というものです。では「BMIが25」とは具体的にどんな体型なのでしょう。

 およその男女の平均的な身長で考えると、172cmで75kg、158cmで63kgとなります。

 これは、一見して「太っている」と感じるレベルです。でも、日本にはこういう人が、男性で30%、女性で20%います。

 一方で、厚生労働省が「適正体重」としているのはBMI22です

 ということは、23でも「太め」に入ります。BMI23というのは、172cmで68kg、158cmで58kgです。これくらいの人は、あなたの周囲にもたくさんいることでしょう。

 要するに、日本も立派な肥満大国になりつつあるわけです。

 なお、「適正体重」はBMI22ですが、多くの女性たちが理想としている「美容体重」はBMI20、さらに細い「モデル体重」はBMI18くらいになります。

 次の表を見てください。日本人の身長と体重とBMIの平均値を、男女ともに年代別に表してあります。

日本人のBMI(注)体重は妊婦除外 出所:「令和元年国民健康・栄養調査」(厚生労働省)より算出

 女性の場合、20代では、美容体重に近いBMIとなっています。

 つまり、若い日本女性はスマートな人が多いということです。それが、年齢を追うごとに太っていき、40~50代となると、多くの人がダイエットが必要になってきます。

 一方で、男性はどうでしょう。すでに20代で十分に太っているのがわかるでしょう。そして、40代に肥満のピークがきています。

 これが、日本人の肥満の現実です。

(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)