グーグルの「最大の急所」が“キャッシュマシーン”広告ビジネスにある理由Photo:123RF

 米国ビジネススクール講師である著者が、グローバル人材のための「決算書の読み方」を伝授する本連載。基礎編で学んだ決算書をベースに企業のビジネスモデルを検証していきます。今回は前回に引き続き、Google(グーグル)について触れていきたいと思います。

 前回の記事では、グーグルとフェイスブックの決算書を比較して、グーグルの売上高原価率がフェイスブックの2.5倍も高い理由について触れました。 詳細は『グーグルvsフェイスブック、同じ広告収入モデルなのに原価率に大差の理由』に譲りますが、そこにはグーグルが広告収益を最大化させるために選んだ「戦略」が関わっていました。さらに、グーグルはフェイスブックよりも売上高営業利益率が低く、一見すると効率の悪い経営をしているように見えることも確認しました。それでも、グーグルの成長がとまる様子はありません。

 今回は、グーグルの強さの理由を三つのポイントに分けて解説します。

グーグルが強い理由(1)
積極的な買収と既存事業への取り込み

 グーグルは「作れないなら、買ってしまう」という方針で、創業間もないころからたくさんの企業を買収してきました。

 2001年から数えると累計で240社以上に上ると言われています。米IT業界の巨人たち、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)の中でも群を抜く買収数です。14年だけを見れば年間30社以上を買収しており、約2週間に1社買っている計算になります。