え、そんなことで?

 と思うかもしれません。でも、人の評価なんて案外そんなものです。周りを見回してみてください。たいしたことをしていないのに高い評価を受けている人はいませんか?

 同じ働きなのに評価が違うと感じることはありませんか?

 そもそも普通の人間の能力差など、そんなにないのです。ものすごく優秀な人は別ですが、普通の仕事をしている普通の人の間には大きな能力差はありません。それでも出世や処遇で差がつくのは、運や性格などがあるでしょう。でも、「印象」も無視できません。

 電卓をたたくあなたは当たり前すぎて、人の印象に残りません。でも、他の人が電卓をたたく中、あなただけ暗算でパッと答えたとしたら?

 あなたは印象に残ります。こんな少しのことがあなたのイメージを変え、評価を上げるのです。

計算が苦手なのは、あなたのせいじゃない

「でも、俺、文系だし。電卓なしで紙にも書かずに即座に計算するなんてとても無理」との声も聞こえてきそうです。大丈夫、「数学はずっと赤点だった」という人でも安心してください。なぜなら、あなたが頭の中でする計算(暗算)が苦手なのは自然なことだからです。

 あなたは学校で、九九以外の暗算を習いましたか?

 習っていませんよね。それならできなくても仕方がありませんよね、習ってないのですから。

 暗算にはやり方があるのです。でも学校では教わりません。私たちは暗算の代わりに小学2年生から筆算を習うため、それ以来、なんでも筆算で解こうとするクセがついてしまっています。

 例えば、「88+39」といった小学2年生の算数レベルの計算も手元に紙と鉛筆があったら筆算してしまいませんか?

 そもそも暗算しようという気が起きないのは、そういう訓練を受けていないからです。逆に言うと、方法を習えばあなたもできるようになります。

 私は学習塾を経営し、講師も務める傍ら、ライフワークとして暗算法の研究をしてきました。本書にはビジネスの現場で使える34の暗算法を収録しています。「暗算」はビジネスパーソンの趣味・特技としてお勧めです。お金がかかりませんし、実際に使える上、あなたの株も上がり、信用されやすくなります(商談もプレゼンも数字を交えて話せると信頼度が上がります。計算力があればとっさの質疑応答なども、数字を使ってできるようになりますね「頭の中で素早く計算ができる!」そんな自分をイメージして、それではさっそく始めましょう!

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