まず、目標が小さい場合についてお話しします。目標が小さいと、何か問題が起きた場合、問題が目標を覆い隠してしまいます。

 目標を見ようとしても、見えるのは問題で、目標は見えません。目標以外に目が向くと、不安になり、自分に疑いを持つようになってしまいます。そして、多くの人は、問題から逃れるために、新たな目標を探します。もちろん、新しい目標の前にも問題が発生し、それを回避するために、また新しい目標を探すようになります。

 では、小さな目標ではなく、大きな目標を持ったらどうでしょう? この場合、問題が目標をすべて覆い隠すことはありません。自分の希望を見失うことなく先に進めます。

 さらに、目標を大きく持つことにはメリットがあります。大きな目標が、発見力を高め、可能性を広げてくれます。人間は、自分が価値を見出しているものにしか注目しない傾向があります。大きな目標を持てば、興味が広がり、さらなる可能性を見つけたり、新たな人間関係を築くことになります。

 裕福な人は、若いころから大きな目標を持っています。目標が大きければ大きいほど、問題は小っぽけな存在となります。

 CNNの創始者のテッド・ターナーを例に考えてみましょう。彼は子供のころ、父親のモットーが「一生かけても達成不可能な目的を目指す」ということだと知りました。そして、世界で一番大きいテレビ局をつくると決意したのです。

 達成するまでに、何か問題が起きたでしょうか?「どんな問題が起きようと、自分の目標に比べれば小さなこと。だから、問題に埋もれてしまうことなく目標を達成できた」と彼は語っています。

資産のない人はあきらめている

 人は自分でこれ以上はできないと自分の限度を決めてしまいがちです。しかし、もし目標を決めたら、何にも妨げさせてはなりません。「何にも!」です。そうでなければ、あきらめることになってしまいます。あきらめるくらいなら、初めから何もせず、エネルギーのムダづかいをしないほうがいいでしょう。

 一度立てた目標は、達成するまで突き進んでください。あきらめないためには、ポイントがあります。それは、達成したときに、自分が幸せになる目標を立てることです。「達成しても満足感が得られないかもしれない」と少しでも頭をよぎると、人はあきらめやすくなります。