四半期での赤字継続から
黒字転換のタイミングを捉えることが重要

 その前後の株価の推移を見てみると、株価が1178円から上昇し始めていることがわかります(下図)。

「通期」ではなく、<br />「四半期」の黒字転換を探すのがコツ

 そして9月28日には、株価が2050円と株価は1.74倍になりました。2倍とまではいきませんが、大幅に上昇しています。

 その後、調整(株価の下落)を伴いながら、その約10ヵ月後の2019年8月9日には株価2380円と2倍以上になっています。このように、四半期での赤字継続から黒字転換のタイミングを捉えることが重要です。

 必ずしも全ての銘柄がこのパターンに当てはまるわけではありませんが、私のこれまでの実績で見ると銘柄選定をきっちりすることで、70%超えの的中率となっています。

 プレミアムウォーターホールディングスは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年6月以降に既存顧客の宅配水の消費量が増えた結果、株価が上昇しています。ここまでのことは、2018年時点では当然予想することはできません。

 ただ、ビジネスの内容がコロナ禍でも堅調であった点と、コロナ以前に黒字転換しており、業績推移が階段状にきれいに積み上がっている点が好感されたのです。

 危機のときもそうでないときも、業績が堅調に推移する可能性がある企業、堅調に推移している企業が、やはり強いといったことを表している好事例になります。

「通期」ではなく、<br />「四半期」の黒字転換を探すのがコツ馬渕磨理子(Mabuchi Mariko)
経済アナリスト、認定テクニカルアナリスト
フィスコ金融・経済シナリオ分析会議 研究員
日本クラウドキャピタル マーケティング・未上場マーケットアナリスト
フジテレビ系列LiveNews αレギュラーコメンテーター
滋賀県出身。同志社大学法学部卒業、京都大学大学院公共政策大学院卒業、公共政策修士。2013年関西の某医療法人に入社後、資産運用トレーダー業務を始める。独力で財務・経営分析力を磨いた結果、資産を3倍にする。2015年独立系金融情報配信会社FISCOのアナリスに転身。上場企業の経営者を中心にインタビューし、個別銘柄分析や日本・韓国・米国経済等の市況分析に従事。入社当時、アナリストだった上司より「堅実な銘柄選定法」として「黒字転換2倍株」のノウハウを受け継ぐ。2017年からは日本クラウドキャピタルにも籍を置き、日本初の未上場マーケットアナリスト兼マーケティング担当として活動。雑誌・Webなど連載多数。「PRESIDENT」本誌にも多数記事を掲載。「プレジデントオンライン」の執筆記事は、2020年の半年間で累計6000万PVを超え、「日本一バズるアナリスト」ともいわれる。2020年11月ラジオ日経にて「馬渕磨理子の5分で教えて!ベンチャー社長」がスタート。初の著書『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』をダイヤモンド社から2021年6月16日に上梓。