新型コロナ、いま最も警戒すべき「中等症」の特徴を【1枚の図】にしてみた!
図をわかりやすくするテクニック
状態をわかりやすくする図解の型として「重なり」「サテライト」「包含」「ピラミッド」などがありますが、今回は「ピラミッド型」を使います。ピラミッド型は、上位層~下位層の量の違いや変化を表現したり、階層に分かれた状態を示す時に便利です。下図を見てください。
氷山上でも階層が明確になるように、このピラミッドの型を氷山の上にプラスします。さらに、右に配置した表と横線で繋ぎ、左右の要素の関係が直感的に伝わるようにしました。下図を見てください。
強調したい内容を補足し、完成!
最後に、この図での「考察」が明確になるようにします。中等症が2段階あること、中等症2から重症に転じるケースが多いということにフォーカスするために、「わずか数日で悪化も」というテキストを補足し、それを囲みと矢印で強調します。
また、「中等症」のブロックに太い実践での囲みを加えています。強調する部分は使用する色も鮮明な「赤色」を使い、より強い表現にします。最終的にこのような図解となりました。
比喩表現も一手間かけてわかりやすく
表とテキストだけでも図解は成立するかもしれませんが、「氷山の一角」というビジュアルがあると、伝えたい内容がより直感的に表現できます。
こういった比喩表現も、型をプラスしたりその上にテキストを加えたりすることで、添えただけではない「意味をしっかり伝えるアイテム」として活かされます。
特に「一人歩きする」前提の図解をする時は、まず自分が理解し納得できるかを検証することが大切。「どうしたらわかりやすくなる?」と第三者の目でツッコミを入れながら、伝わる図解にトライしてみてください。
日高由美子(ひだか・ゆみこ)
株式会社TAM アートディレクター「えがこう!」代表
東京学芸大学美術科卒業後、日本デザインセンターイラストカンプ部に就職。その後コーセー化粧品宣伝部、ワーナーミュー
ジック・ジャパン編成デザイン部でグラフィックデザインに従事する。1995年より株式会社TAMにてアートディレクターとして勤務。並行して、大阪コミュニケーションアート専門学校非常勤講師としてエディトリアルデザインの講義を行った。絵を描くのが苦手な若手スタッフに「描いて伝える」トレーニングを始め、2015年ごろより社外でもセミナーを開催。「地獄のお絵描き道場」をはじめ、セミナーの総受講者は4000人を超える。グラフィックデザインを通じてのビジュアル構築やグラフィックファシリテーションを得意分野とし、2018年より早稲田大学リカレント教育・WASEDA NEO講師を務める。家電メーカーや外資系ヘルスケア企業・大手銀行シンクタンク・外資系コンサルティング会社などで可視化トレーニングを行う。
重視するのはスピード。「その場で」「なんでも」図解する!
はじめまして。日高由美子と申します。私はアートディレクター(広告やwebサイトなどのビジュアルデザインの責任者)として働いています。
宣伝制作の現場はタイトなプロジェクトが多く、頭の中のイメージやアイデアをブレずに素早く伝えることが重要でした。臨機応変に手を動かし、図解することで課題を明確にし、コミュニケーションをとる。可視化することで説得力も上がり、仕事もスムーズに進みました。
このプロセスを経て、「聞きながら・考えながら」書くことが「スキル」として活かせる手応えを感じました。自分だけのスキルにするのはもったいない。社内のスタッフにもこの技術を伝えたいと思いました。
最初は社内勉強会でしたが、社外からもご要望をいただき始めた「地獄のお絵描き道場」は、開催するたびにキャンセル待ちが出るワークショップになり、のべ4000人を超えるビジネスパーソンに「その場で書いて伝える」スキルを伝えてきました。仕事で実際に活かした受講者の声も届いています。
「説明が上手くなったと、上司から言われました」
「営業資料を検討するオンライン会議で、内容を書きながら共有したら、方向性がすぐ定まりました」
「ふだん議事録を読まない社員が、社内会議に興味を持ちました」
「新商品の開発で、ファン獲得の議論が行き詰まったときに、書きながらブレストをしたら、見過ごしていた問題点が見えました」
この度出版した拙著『なんでも図解ーー絵心ゼロでもできる! 爆速アウトプット術』は、自分の考えや打ち合わせ内容を、その場ですぐ可視化するスキルを解説するものです。「地獄のお絵描き道場」をはじめ、ワークショップでの知見をすべて集約しました。ワークショップの臨場感を出すために、本書は、先生と生徒の対話形式をとりました。絵心ゼロの主人公が、先生の叱咤激励を受け、徐々に「なんでも図解」を体得していきます。
本書を通して、「図解は難しくない」「話しただけではわかり合えないときでも、その場で書けば伝わる」と感じてもらえれば本望です。
本書の主な内容
はじめに 重視するのはスピード。伝わる図を瞬時に書く
INTRODUCTION
・その場で書いて黙らせろ!
・「なんでも図解」5つのメリット
・トレーニングはこう進む!
1日目 「囲み」をマスター! 文字の羅列が一瞬で「図」に変わる
・「なんでも図解」の3大ツール
・囲みでテキストを「図形化」する
・わかりやすさが加速する「囲み」のコツ
2日目 「矢印」をマスター! 関係性を瞬時に伝える飛び道具
・矢印不在の悲劇とは
・矢印はこう書け、こう使え! 流れ、双方向、対立をマスターだ!
・複雑な内容をわかりやすくする「矢印」のコツ
3日目 「人」をマスター! 注目と理解を促す最強のアイコン
・1秒で書ける人のアイコン
・人のアイコンの「2つの使い方」
・喜怒哀楽も1秒で書ける!
4日目 文章を読み、最速で作図する!
・文章を図にする3ステップ
・練習問題1 LINEを図解しよう!
・文章図解トレーニング【初級の6問】
5日目 話を聞きながら図解するコツは「キーワード+余白」
・余白が欠かせない3つの理由
・キーワードをスピーディーに書くコツ
・聞きながら図解するコツ「発言者を明確に」
6日目 会議や打ち合わせでも慌てず図解する
・エリア分けができれば、長い打ち合わせでも図解できる
・3つの型を装備せよ!
・アイコンや絵が多いときこそ時系列を強調
7日目 爆速で書け! アウトプット地獄
・商品やサービスを図解する1「Alexa」
・ビジネスモデルを図解する1「LINE クリエイターズマーケット」
・図解の精度が上がる「5つのテクニック」
・オススメ筆記具
・仕事にすぐ使える 秒で書ける厳選アイコン200
ITエンジニア本大賞2021、グランプリ! 絵心ゼロの主人公と一緒に「なんでも図解」をマスター!
「どうやって図にまとめるか?」も丁寧に解説!