2015年には都市圏でも
大きな社会問題に

 同センターがまとめた、2012年度版・研究成果カタログがある。

 そのなかで、中山間地域の長期戦略として、2010年代に必要な政策展開の基本構図を示している。視点(把握すべき現状課題と今後の変化)として、5点を挙げた。

 ①「集落はどうなる?」
  20世帯未満・高齢化率50%以上の集落が2024年までに県内で全体の約3割に。

 ②「2015年、都市の限界」
  2015年に、広島県近郊団地(あさひが丘、くすのき台、五月が丘、美鈴が丘)の高齢化率が島根県中山間地域町村を超える。

 ③「海外の田園地域は?」
  英国では田園回帰の傾向が見られる。それが参考になるか?

 ④「縦割り政策をどうする?」
  産業、社会、環境、行政を、広域で総合的に、しかも持続的な政策展開が必要。

 ⑤「持続可能な地域循環圏構築」
  再生可能エネルギーの活用、近隣・複合的な資源・経済循環を目指す。

 以上をふまえた上で、交通システムの観点から研究が進んでいるのが「郷の駅」だ。

90歳でも自分で運転するのは当たり前の時代へ!?<br />「中山間(ちゅうさんかん)地域」の現実島根県中山間研究センター研究企画監・島根県立大学連携大学院教授、藤山浩氏 Photo by Kenji Momota

 その構想について、同センターの研究企画監・島根県立大学連携大学院教授、藤山浩氏に説明していただいた。

 基本的な考え方は、いわゆる「ハブ&スポーク」。つまり、地域内での、ワンストップサービス拠点の構築だ。具体的には、行政機関、教育機関、医療福祉施設などの生活に必須な拠点の窓口、さらにスーパーマーケット、コンビニ、ガソリンスタンド、レストラン等、さらには観光案内所、産直市場、防災センター等を融合した「ゲートウェイセンター」を、地域内に数ヵ所、新設する。地域住民は「郷の駅」と自宅間を自走、または地域専用の小型バス等で移動する仕組みだ。筆者はこの構想について、いわゆる「道の駅」を地元住民生活により密着したカタチで進化させたもの、というイメージを持った。