近年、中学受験では「大学付属校」人気が高まり、激戦となっています。2021年入試でも、大学付属校の難化傾向が目立ちました。そんな中で「早慶GMARCH」「関関同立」をはじめとする、人気の「付属中学」の合格を勝ち取るにはどうすればいいのでしょうか?
「御三家をはじめとする進学校と同じ対策をしていてはダメ」というのは、「中学受験 大学付属校合格バイブル」の著者で、早慶をはじめとする大学付属校専門の中学受験塾を経営されている野田英夫氏。実は大学付属校の入試問題には、基本的な問題が多く進学校のような難問が少ないので、付属校に特化した対策をすれば偏差値が足りていない子でも逆転合格がかないやすいのです。
発売即重版となった本書から、知られざる付属校受験の実態や、合格のためのノウハウの一部をお伝えしていきます。

【大学付属校の中学受験】<br />過去問は、「なるべく早く」<br />「繰り返しやる」のが正解「中学受験 大学付属校合格バイブル」より

まずはゴールを把握せよ

 過去問は志望校対策の核となります。ですから早慶維新塾では、小6になる前から志望校の過去問を見せるようにしています。当然ですが、すべてのカリキュラムが終了していない段階で過去問を解かせても、正解することはできません。しかし、それでもいいのです。目的は「自分の志望校が求めているものを知ること」です。誤解を恐れずに言えば、解けるか解けないかは関係ないのです。まずはゴールを把握しないといけません。

敵を知らずに戦うことはできない

 4年生、5年生の時点で過去問を解いてみることで、「受験のときには、この入試問題を解けるようにならなければいけない」ということが明確になります。すると逆算ができるようになります。しなければならない学習が見えてくるようになります。

 敵を知らずに戦うことはできません。同じように、入試問題を知らずに、受験勉強をすることはできないのです。志望校の過去問には早くから取り組んでおいて、損はありません。そして6年生になったら、どんどん解かせるべきなのです。

 志望校の過去問を繰り返し何年分も解くことで、学校側の意図、つまり出題傾向が見えてきます。また、その出題に慣れるようになります。解答形式に慣れておくことは、とても大切です。

 たとえば慶應中等部の理科は、ほとんどが選択肢で解答する形式ですが、SFCは例年記述問題が複数出題されています。特にこの記述問題は、SFCが求めている解答をする必要があり、そのための練習をしないと書けるようにはなりません。ただ解いて、マルつけして終わりでは、効果はないのです。