同じ過去問を解いて、意味があるのか?
もちろん、本番の入試で、同じ問題が出題されることはありません。しかし、過去問の複数回演習に意味はないのかといえば、そんなことはありません。問題量や解答形式には慣れが必要ですし、頻出分野は繰り返し解いておくことで、感覚がつかめるようになります。1回目で気がつかなかったことに2回目で気づいたなんてこともしょっちゅうです。もし、頻出分野に苦手が見つかれば、その問題がすんなり解けるようになるまで、練習を繰り返さねばなりません。
同じ時間制限の中で、似たような過去問をなんども解いておくと、頭だけでなく体が問題形式に慣れてきます。付属校は基本問題を確実に得点する入試ですから、このような小さな慣れの違いが、合否を分けることになるのです。
ここで過去問の基本的な演習方法を冒頭の表に、整理しておきました。
③の問題の色分けは塾の担当の先生や家庭教師の先生にお願いするといいでしょう。
実際に多くの付属校の学校説明会で、「過去問をしっかり解いてきてください」という説明があります。なぜならそれが一番の入試対策になるからです。
早慶維新塾の80%を超える早慶付属校への進学率は、計画的に過去問を中心とした志望校対策を行っているからにほかなりません。徹底して入試問題の分析をし、ひとりひとりに合った志望校対策をしています。
過去問対策、つまり志望校対策は、受験勉強の要です。間違ってもこれをおろそかにしてはなりません。
志望校の出題傾向をつかみ、戦略を立てる
また、基本的に中学受験は総合得点での勝負ですから、苦手な科目がどうしても伸びないなら、得意な科目で底上げするなどの戦略も、早めに過去問に取り組むことで立てやすくなります。また苦手な科目でも、過去問を解いてみたら問題との相性がよく自信がついた、などということはよくあります。
合格を勝ち取るためには、志望校の傾向を知り、そのテストに慣れなければなりません。また頻出分野の中で苦手があれば、そこを何度も練習して潰しておかなければなりません。志望校に合格できるかどうかは、実はこの志望校対策が鍵となっているのです。