「たべっ子どうぶつ」のカプセルトイのフィギュア大きく話題になった「たべっ子どうぶつ」のカプセルトイのフィギュア。「製造のコスト等は販売元にお任せしていますが、社内の審査はかなり厳しいと思います。そのおかげで、クオリティーの高さを褒めていただくことも多いですね」(坂井氏)(撮影:清談社)

「43年前に生まれたときは平面のみのキャラクターだったので、後ろ姿や側面は考えられていませんでした。グッズを作るよりも前に“らいおんくんの着ぐるみ”を製作したのですが、当時は違和感がないように立体を作り込むのがとても大変でした。同様にカプセルトイのときもすべてのキャラを立体化したので、とても時間がかかりましたね。やはり、たべっ子はギンビスの看板商品なので妥協はできないです」

グッズ人気が高まっても
お菓子メーカーの軸はブレない

 そして今後は、さまざまなグッズの展開を予定している。

ギンビス「たべっ子どうぶつ」が若者の間で大ブーム、その理由とは「もともと着ぐるみたちは販促イベントを中心に活動していましたが、SNSに彼らの画像をアップするようになってから、グッズ化の打診が増えました。たべっ子グッズとSNSは切っても切れない関係です」(坂井氏)(ギンビスの公式Instagramアカウントより)

「5月には一番くじのコスメライン『一番コフレ ギンビスたべっ子どうぶつ』も発売しました。昨年発売した一番くじの景品はクッションやチャームでしたが、今回はパフやアイシャドウなど実用的なアイテムになっています。発売日にはツイッターのトレンドに上がるなど、とても話題になりましたね」

 たべっ子どうぶつのグッズ人気が加速する一方で「お菓子メーカーとしての軸はブレないようにしたい」と、坂井氏。

「もしもキャラクター事業にすべて振り切ってしまったら、キャラもお菓子も中途半端になってしまうかもしれません。なので、私たちはこれから“お菓子メーカー”として、お菓子とグッズをどう絡めていくかが課題になります。お菓子もグッズも、みなさんに喜んでいただける商品作りを心がけていきます」

 キャラクターグッズ戦略で子どもから10代、20代までさらに幅広く愛されるお菓子になったギンビスの「たべっ子どうぶつ」。新たな挑戦を成功に導いたのは、お菓子メーカーとしての誇りなのかもしれない。