たとえば、大江戸線にある六本木駅は、日本一深いところにある地下鉄駅で、地表から42.3mの地中にある。これは7階建のビルに相当する。そのため、改札口を通り抜けてホームにたどり着くまでには、エスカレータやエレベータを何度も乗り継がなければならない。副都心線の渋谷駅も地下深くにあるが、地表から30mである。ちなみに、地下鉄駅の深さランキング上位10駅の中に、大江戸線の駅が5駅もある。

 エリアについては、東京メトロはドル箱路線の銀座線、丸ノ内線があるうえに、他の路線を見ても、都営地下鉄とはかなり差がある。

 東京の地下に、事業主体が異なる地下鉄が走っているのは何かと不便である。隣り合っている駅でも改札口を通り、また新たに運賃を払う必要がある。都営地下鉄と東京メトロの乗り継ぎの利便性を高めるためにも、経営の一元化を実現させることが急務だが、都営地下鉄の長期債務と累積赤字が足かせになっている。