受診率が高いのは「お金持ちは健康意識が高い」という側面もあるでしょうが、検診の自己負担額が「0円」であることが大きいでしょう。その他の地域を調べてみても、無料だと受診率が高いことがわかりました。

 OECD加盟国でがん検診を実施している国のうち、検診にお金をとるのは日本ぐらいなものです。よその国のがん検診受診率が高いのは、金額的なことも無関係ではありません。金額はがん検診の受診率に反映されます。タダであれば受ける人も増えるでしょう。

 とはいえ、新型コロナウイルスで財政的に苦しくなる自治体は増える一方で、検診をタダにする体力はもはやないと思えます。

 そこで、がん検診へのモチベーションを上げるには、がん検診の意義を知ること。実は、性別や年齢によっても、かかりやすいがんのリスクは異なります。

性別・年齢によってかかりやすい「がん」は変わる

 自治体のがん検診は対象年齢や部位が決まっています。こつこつ積み上げたデータを詳細に分析し、「検診で見つけられる可能性があるがんはコレ、これらのがんになりやすい年齢はコレ!」と決め打ちしているからです。

 仕事をしている年齢では、男性に比べて圧倒的に女性のほうが、がんが問題になります。男性のがんが増えるのは、そろそろ定年後のことを考え始める50代以降。50歳を過ぎたら、胃・肺・大腸の検診は定期的に受けてください。

 大事なことは、それまでにタバコをやめ、過度な飲酒やストレスを避け、身体の免疫力を落とすような生活習慣を改善しておくこと。がん細胞は発生してから発見されるほどに大きくなるまで10年以上かかります。がんになる人が増える50歳になってからの対応では遅いのです。

 女性の場合はがんとの関係は年代ごとに変わっていきます。20代では子宮頸がんが増えます。若い女性には抵抗があるかもしれませんが、将来の妊娠出産に大きく関わってくるので、ぜひ検診を受けるようにしてください。若いと検査の重要性がピンとこないかもしれませんから、親御さんは20代の娘さんへの積極的な後押しが必要かと思われます。