「何かあれば私が責任を取る」などという上司や先輩は、テレビドラマの世界ではよく見かけるものの、残念なことだが、現実の世界ではめったにいない。せいぜいスポーツの監督にいるくらいだ。

 一方、責任逃れする上司は、現実世界のあちこちに存在する。ニュースを見れば分かるように、国を代表するような政治家たちでさえ責任逃ればかりなので、自分の職場にそのような上司や先輩がいるのもやむを得ないと諦めるしかない。

 このような人物の指示に納得がいかないだけでなく、まずいことになる可能性があると思うときは、信頼できる先輩や他部署の上司に相談し、介入してもらうのがいいだろう。

「それ、まずくないですか。問題が生じて、責任を問われたら大変ですよ」

 とでも言ってもらえば、ビビッて撤回するはずだ。

 特に納得のいかない指示でなくても、このようなタイプの上司や先輩の指示で動くときは、万一のときに責任をなすりつけられるのを防ぐために、証拠を残すことが大切になる。

 たとえば、本人宛てに、「先ほどいただいた指示について、念のために確認させていただきたいのですが、XXXXということで間違いなかったでしょうか」というように確認メールを出すようにするのがいいだろう。そうした証拠があれば、責任逃れがしにくいため、むやみに危ない指示を出してこなくなるはずだ。