投資家の仕事は「待つこと」であるワケPhoto:PIXTA

株式市場が低迷しているときは
ひたすら「待つ」べきだ

 日本の株式市場が、このところ低迷を続けている。2月には3万円を超えて年初来高値を付けていたものの、8月20日には一時2万7000円を割り込む年初来安値を付けた。これに対して米国市場は順調で、つい最近まで高値を更新していた。筆者はアナリストではないので、この理由についてはコメントできないが、コロナ禍による心理的な影響は決して小さくないだろう。

 経済活動が再開された欧米が、それまでの活動自粛に対する変化の度合いが大きかったのに対して、日本の場合は、欧米ほど極端なロックダウンは行っていないため、比較的中途半端な自粛が続いている印象がある。加えて、このところの陽性者の拡大とそれに対する今後の懸念も市場が低迷する心理的な理由と言えるかもしれない。

 しかしながら、こういう低迷している時期だからこそ、投資家としては心得ておくべきことがあると思う。それは「投資家の仕事は“待つこと”である」ということだ。多くの人が何となく誤解しているように思えるのだが、非常に長い目で見た場合、株価が上昇する時は少しずつ上がっていく、あるいはイメージ的には45度に近い形で上がっていくように考えがちだ。

 でも個別銘柄で見た場合、必ずしもそういうわけではない。いや、むしろそうでない場合の方が多いだろう。具体的に言えば多少の上げ下げはあっても比較的長い期間にわたって株価が低迷する時期が続き、ある時を境にして突如上げ始めるというパターンが多い。だからこそ、株価が長く低迷する期間はじっと辛抱して待つことが大事なのだ。