これも時代の流れ…日本人が避けてきた問題に向き合おう

 このような3つのリスクを聞くと、「やはり小室さんとの結婚は反対だ、秋篠宮ご夫妻は国民のために全力で阻止すべきだ」という人もいるかもしれない。しかし、個人的にはこれはもう時代の変化で、しょうがない部分もあると思っている。

 仮に今回の結婚がなくなったとして、眞子さまが次に結婚相手として選んだ人物が問題ゼロになるとも言い切れない。また、佳子さま、愛子さま、悠仁さまと、まだこれから「民間人」との結婚が続いていくだろう。そのお相手が、小室さんのような人である可能性もなくはない。今の時代、日本国籍じゃないということだってあるかもしれない。

 つまり、これらのリスクは、今後も皇室の方たちが、我々国民と同様に、自分らしい生き方を目指していく限り、いつか必ず起きるものなのだ。

「開かれた皇室」をうたい、女性の人権を尊重すると世界に宣言する日本が、かつてのように皇室の人々の「結婚・恋愛の自由」を制約することは難しい。権力や国民のリンチで引き裂いても、いつかそれが蒸し返され、人権侵害だったと問題視される。つまり、日本としても、これらのリスクと真正面から向き合っていくしかないのだ。

 眞子さまと小室さんの結婚は、これまで日本人が避けてきた「天皇・皇室は個人の幸せをどれだけ追い求めていいのか」という問題を、しっかりと考えていくいい機会かもしれない。

(ノンフィクションライター 窪田順生)