エンタメ流行の発信地「TikTok」

 ダンス動画で一躍人気となった短尺動画共有サービス「TikTok」だが、今はDIYや料理、メイクなどのHowTo動画や、お笑いなどのエンターテインメント動画、グルメ紹介など、ジャンルが広がっている。10代への人気は変わらないが、ユーザー層は広がりを見せている。

企業が始めるSNSの向き不向き、事前にこれだけは確認すべし【Instagram、Facebook、TikTok編】スマホの形に合わせた縦長動画が特徴のTikTok。音楽や本、飲食などさまざまな流行の発信源になっている

 TikTokの魅力は、最新コンテンツ以外にもブームが起きること。瑛人の「香水」など、TikTok発のヒット曲が増えているが、現在は80年代のシティーポップも人気を呼んでいる。また、たまたま映り込んでいた4年前の小説が、3カ月で7.5万部増刷されたこともある。TikTokはユーザーが他のユーザーの投稿をアレンジして投稿することで拡散していくため、何がヒットするか予想できない面白さがある。

 これまで動画を作成して公開するにはPCを使った高度な技術力が必要だったが、TikTokならスマホで完結する。アプリで撮影し、編集して投稿するまでスムーズにできることも人気の理由だ。人物が収まりやすく、スマホを回転する必要がない「縦動画」というフォーマットも世間に受け入れられている。2021年7月には動画の長さを最大60秒から3分に拡大した。

 企業の認知拡大のために社員がダンスを踊る企業も増えてきたが、不動産業が賃貸物件の内見動画を公開して成約に結び付けている事例もある。静止画よりも動画で発信すると分かりやすいコンテンツに有効だ。

企業が始めるSNSの向き不向き、事前にこれだけは確認すべし【Instagram、Facebook、TikTok編】2021年7月に行われた「#勝手にPR」キャンペーンは応援したい店の投稿を募った Photo by Tomoko Suzuki

 主要SNSについて、その特徴と新たな機能をおおまかに紹介した。自社の企業アカウントに向いているサービスがイメージできただろうか。各SNSの活用法については、今後紹介していく。