特集『わが子にピッタリ!塾・予備校&家庭教師・オンライン教材選び』(全22回)の#5では、中学受験とも大学受験とも異なる高校受験における失敗しない塾の選び方と、実際にお薦めできる高校受験塾の指導法を「私教育新聞」の編集主幹、千葉誠一氏が解説する。加えて、付録として全国12都道府県の名門高校への塾別合格者数リストも掲載する。(「私教育新聞」編集主幹 千葉誠一〈「全国名門146高校・塾別合格者数リスト」はダイヤモンド編集部〉)
大学受験とは異なる
高校受験塾の選び方
全国各地で地域一番塾と称される塾のほとんどが、中学生をメインターゲットとした「高校受験塾」である。そして、地域トップ高校への合格者数の実績やシェアが、その塾の価値を測る指標となってきた。
だが、合格実績だけで塾を選ぶのは危険だ。塾に来るのは難関高校を目指す成績上位の生徒だけではないからだ。それ故、入試対策だけでなく、塾生が通うそれぞれの中学校で上位の成績を獲得できるように、定期試験対策もしっかり行う塾の方が望ましい。
また、塾選びの際には、どの塾がどのような得意分野で勝負をしているのかといった特徴を見極める必要がある。各塾のホームページの熟読はもちろん、口コミサイトなどで講師の質や指導内容を確認し、さらには実際に通塾している生徒の様子をのぞき見て選択肢を絞り込むぐらいの慎重さが必要だ。
加えて、高校受験、とりわけ公立高校受験の特徴は、全国から受験生が集まる大学受験と違い、都道府県によって入試状況が千差万別という点にある。この10年ほど大学入試改革の進行に伴って、全体的に入試問題の難化が進んでいるが、都道府県によって例えば作文のあるなしだけでなく、作文で何を考査されるのかも全く異なる。それ故、合格するには志望校の過去問を繰り返し解いて出題傾向を分析、予想することが求められる。つまり、地域の高校の入試情報を豊富に蓄積し、その分析を基に指導してくれる塾を探し出すことが肝要になってくる。
さらにはコロナ禍が続く中、どのような感染防止対策を講じているかも、目下の塾選択の重要な判断材料となるだろう。
次ページから、これら高校受験塾選びのポイントを踏まえ、「北海道・東北」「千葉」「愛知」「関西」の各エリアから高校受験塾の模範的存在ともいうべき、筆者がお薦めする四つの塾を紹介しよう。その特徴を知れば、自分が住む地域の塾選びにもきっと役立つはずだ。