ふだんから物件を見る目を養っておくことが大事

中古マンションは、相場よりも200~300万円安い物件が、突然出てくることもある日下部 理絵(くさかべ・りえ)
住宅ジャーナリスト、マンショントレンド評論家
第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。不動産総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」代表。管理組合の相談や顧問業務、数多くの調査から既存マンションの実態に精通する。また、新築マンション情報など、マンショントレンドにも見識が深い。各種メディア、講演会・セミナーで活躍中。主な著書に、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『「負動産」マンションを「富動産」に変えるフプロ技』(小学館)、『マンション管理・修繕・建替え大全 2021』(朝日新聞出版)ほか多数。

日下部 買う時って、部屋と部屋に行くまでのエントランスとか共用施設とかを見て、「わあ、なんかステキ!」って思って、資金面で買えそうなら買ってしまうというのが普通だと思います。だから、事前にいろいろとよくチェックする必要はありますね。

小林 やっぱり買うときは、よく見えますからね。そこはちょっと冷静に考えて、実際払うお金はいくらなのかを事前に確認して、それに見合った価値があるのかどうかを慎重に考えないといけないですね。

日下部 そうですね。少しでも安いものを買おうと隣町のスーパーに行く人でも、マンションとか住宅を買うとなると、急になんかケタが違うからか、すごい高いオプションをつけちゃったりして(笑)。

小林 たしかに、いそうですね。

日下部 中古マンションはポツポツといい物件が出てくるので、ふだんから見る目を養っておくっていうのは、とても大事かなと思います。あとは、頭金をなるべく貯めておいて、いい物件があれば、すぐに行動できるようにしておくのが、たぶん一番賢いのかなと思います。

小林 なるほど。

日下部 あとは、小学校の学区の問題とかもあるので、ライフスタイルの中で優先したい項目にあう物件があれば、それが一番正解なわけですから。2、3年ぐらい準備期間があるのであれば、住みたいエリアをSUUMOやホームズなどの検索サイトでチェックしておいて、いいなと思う物件は内見してみる。そうするとだんだん目が肥えてくると思うので、その間に頭金を貯めつつ、いい中古が出てきたらすぐ行動に移せるよう準備しておくのです。プロの人って、パッと1回見て良ければもう、「これ買います!」って即決できるんですよね。

小林 そうなんでしょうね。

日下部 私が今まで買った中古マンションでも、パッと見て、「これは価値ある物件だな」というのはすぐわかるので、即決することもあります。慎重に行くときでも昼間に内見していいと思ったら、その夜に周辺環境を見て、それでもう1回内見して、「買います!」という感じです。

小林 早いですね。

日下部 それは、やっぱり自分なりに買いたい物件の条件が決まっていたり、目が肥えているからということですね。高い買い物なので、今のうちに見る目を鍛えておくといいですね。中古だとポンッと急にいいものが出てきたりするので、普通にこれが高いのか安いのか、目が肥えてなきゃわからないので。「これは、市場より200~300万円安い!」という物件も突然出てくるので、物件数を見て見る目を養っておくのが賢い行動なのかなと思います。

中古マンションは、相場よりも200~300万円安い物件が、突然出てくることもある日下部理絵、小林義崇著、サンマーク出版、定価1540円(本体1400円+税)

小林 例えば、日下部さんの『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』の本だと、チェックリストがあるじゃないですか。『すみません、2DKってなんですか?』も、家にまつわる基本がまとまっています。そういうのを片手に、今オンラインの内覧会とかもあるので、あれこれ見ておくのもおすすめということですね。それで、部屋の状態によって値段がこういう差が出ているとか、いろんなことがわかると思うので、その予習にはたぶんこの2冊ともすごく役立ちますねと(笑)。

日下部 そうですね!全般的な知識を網羅するという意味では、両方ともすごくわかりやすい本で、おすすめですね。