入居後に、修繕積立金が大幅に値上がりすることも
元国税専門官、フリーランスライター、Y-MARK合同会社代表
西南学院商学部卒業後、2004年に東京国税局の国税専門官として採用され、以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応等に従事。2017年7月、フリーライターに転身。マネージャンルの記事執筆をはじめ、インタビュー記事作成やセミナーなどを行っている。著書に『すみません、金利ってなんですか?』『すみません、2DKってなんですか?』(以上、サンマーク出版)、『確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち?』(河出書房新社)等。
小林 それから、管理費と修繕積立金も、なんか急に上がったりしますよね。前に住んでいたマンションも、最初は安めだなと思って買って入居したら、4年くらい経ったらいきなり「このままでは修繕積立金が足りない」みたいな通知が来まして…。その後、修繕積立金が月2万円弱上がったのですが、「これは痛いな」と思ったことがあります。
日下部 段階増額積立方式というものなんですけど、5年に1回ぐらい上げる計画を立てているマンションは多いかと思います。長期修繕計画って、25年とか30年くらいのスパンで計画をつくるんですけど、均等でずっと始めから2万円で変わらないみたいなところもあれば、段階的に上げるというところもあります。国土交通省では均等積立方式を推奨しているんですけどね。
小林 なるほど。家賃みたいな感覚でいると、ちょっと怖いですね。
日下部 そうですね。建物は年々古くなっているのに、逆に費用は上がっていくなみたいなのは、ちょっと怖いですよね。デベロッパーからすると、やっぱり住宅ローンの毎月の返済額と管理費と修繕積立金の額で、皆さんが買えるか買えないかを判断しているので、やはり始めは費用を抑えておきたいという思惑があるんですね。それで段階増額積立方式を提案してくるということですね。
小林 そのあたりも事前に聞けば、教えてくれるわけですか? 段階方式か均等方式かは。
日下部 長期修繕計画書を見せてくださいっていえば、閲覧できます。見てもよくわからない人は、軽く説明をしてもらうといいですね。大体12年に1回ぐらいの割合で大規模修繕工事をするんですけど、その直前に買うと結構大変かもしれないですね。たとえば、築12年くらいで大規模修繕で、ちょうど築10年ぐらいで買って、入居した翌年に一時金を30万円取られるみたいな話をたまに聞きますので。工事期間中も不便ですし、中古の場合、こういうのは気をつけた方がいいですね。
小林 前のマンションのときに、売りにしていたのが機械式駐車場で月1000円で使えますというふれこみでした。でもメンテナンスの見積もりが甘かったみたいで、ある時、急に値上げになりまして。
日下部 車を持っている方だと、事前に駐車場の空きがあるかないかを確認しないとトラブルになる可能性もありますね。逆にまったく車に乗らないのに機械式駐車場があるマンションで、運営がうまくいってないと、費用負担などのトラブルに巻き込まれることもありますね。
小林 そのへんの話が面倒に感じる人は、結局、賃貸が楽だってことになるんでしょうね。