胃カメラのほうがオススメ! 2つの理由
バリウム検査には「レントゲンを読影する医師に結果が左右されやすい」という課題があります。あまり見慣れていない医師が読影することもあります。病変があっても見逃されてしまうリスクが存在します。
一方、胃カメラは「消化器内科」という胃の専門の医師が行うことがほとんどです。
「胃カメラができる医師≒胃の粘膜の病変を確認する能力がある医師」なので、胃カメラのほうが安心感は上です。
オススメの理由はもう1つあります。胃カメラであれば、咽頭や食道の部分を含めて目視で表面を確認できます。
早期発見が難しい咽頭がん、食道がんの早期発見に役立つケースもあります。現在は鼻から挿入できる胃カメラもあり、苦痛の面も安心です。鎮静剤を使用すれば、ほぼ眠った状態で検査を受けることもできます。とはいえ、この意見は個人的なものですし、あくまで「強いて言えば」です。
「医者はバリウム検査を絶対に受けない」という通説は極論です。私の知る限りでもバリウム検査を受ける人、胃カメラを受ける人がそれぞれ存在します。
バリウム検査も胃カメラ検査も優れた検査方法ですので、どちらでもいいのでしっかり定期的に受けるようにしてください(バリウム検査は「40歳以上に毎年」、胃カメラ検査は「50歳以上に2年に1回」、公費の対策型検診として受診可能です)。
【出典】
※1 坪野吉孝 久道茂 症例対照 研究による胃がん検診の死亡率減少の評価 . 日消集検誌1999;37:182 5
※2 日本消化器がん検診学会:平成28 年度胃がん検診偶発症アンケート調査報告 . 日消がん検診誌 57:1231 1240
※3 Hamashima C,Ogoshi K,Okamoto M,et al.A community based,case control study evaluating mortality reduction from gastric cancer by endoscopic screening in Japan.PLoS One 2013; 8 :
※4 Matsumoto S,Yoshida Y.Efficacy of endoscopic screening in an isolated island : a case control study.Indian J Gastroenterol 2014;33:46 9.
(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)