超多忙で毎日時間がないうえに、仕事でミスは絶対に許されない。そんなハードな状況で医師はどうやって日々スケジュール管理を行い、最新の情報を取り入れて、更新し続けているのでしょうか。現役医師である裴英洙(はいえいしゅ)先生が実践しているユニークなメモ術・手帳術をご紹介します。

自分の頭にS字フックをかける

 私はメモの取り方にも自分なりのルールを作っています。これが正しいかどうかはわかりませんが、私の場合は基本的に名詞を羅列しています。つまり、メモは文章にしないのです。

 今5年前の私のメモを見返してみました。そこには、「コバンザメ戦法」と書かれています。他人が見たら何のことかわからないかもしれません。でも誰に見せるわけでもなく自分で見返すだけですので、自分が理解できたら十分です。
   綺麗に書こうとせず、時間をかけて細かいところまで書くこともしません。自分の頭にS字フックをかけるようなイメージで、できるだけ短い単語で記録します。

「コバンザメ戦法」というメモを書いたときの光景を思い出してみると、「自分はコバンザメのように、偉い人・立派な人のそばで取るに足らない存在として邪魔にならないようにくっつく。その間に彼らから学ぶ」という意味で書いたことを記憶しています。「コバンザメ戦法」という一言だけで、しっかり記憶のフックになっています。

  中には自分で書いたものの、意味不明なメモもあります。そんなときは深く考えずに、自分で見返して意味がわからないメモならその程度の内容なのだ、と諦めます。

「メモ」を文章にしない3つの理由

 私がメモを文章にしない理由は3点あります。

・文章を書く時間を節約する
・追加で書くスペースを確保する
・トリガーメモとする