マツダがクルマの開発改革の日本連合を主導する理由マツダがいち早く本格導入してきたモデルベース開発。自動車産業が一丸となって普及を進めることで、日本のクルマづくりの競争力向上を図る Photo:Bloomberg/gettyimages

MBDの日本連合発足
コスト削減に貢献

 日本を代表する自動車メーカーと部品サプライヤーが「モデルベース開発(MBD)」の標準化で連携することになった。

 MBDとは、アイデア発想、技術開発、車両構想段階や商品開発段階において、車両設計するモデルを使ってコンピューター上で開発を行うことだ。

 パソコンの中で仮想の車を走らせることで、どの部品が不良を起こすのか、空気の流れを乱している部分はどこかなどを瞬時にデータで導き出す。実際に試作車を作って走らせ、部品をその都度作り直すような工程が省けるため、開発時間やコストが大幅に減る。

 MBDを標準化すれば開発効率が大幅に向上し、開発コストの削減につながる。

 今回、日本の自動車メーカー、部品サプライヤーが参画する「MBD推進センター」が発足し、9月24日に記者会見が行われた。このMBD推進センターに運営会員として参画したのは、マツダ、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車、SUBARUの自動車メーカー(OEM)5社とデンソー、アイシン、パナソニック・三菱電機・ジヤトコのサプライヤー5社だ。

 会見では、同センターのステアリングコミッティ委員長に就任したマツダの人見光夫シニアイノベーションフェローが、「研究・開発段階でOEM、サプライヤー、エンジニアリング会社、大学などが一つの会社の研究開発部門のようにつながることで、日本のクルマ造りの開発効率は劇的に向上する」と、MBDセンター発足の狙いについて語った。

 この会見には、パナソニック、三菱電機の担当役員も同席して、開発効率と産業連携加速へサプライヤーサイドも同調する発言を示した。

 今回、発足した「MBD推進センター」は、いわばクルマ開発改革の“日本連合”であるが、注目すべきはその中核にいるのが、中堅メーカーのマツダであることだ。