大豆肉が中心の食生活だと
栄養バランスを崩しかねない

 大豆肉は、牛肉と比べれば、摂取カロリーがかなり少ないことは確かだ。100g当たり牛肩ロース肉の411kcalに比べ、大豆肉は110kcal程度。したがって、大豆肉を200g食べても牛肉より600kcalも摂取カロリーが少ないため、一見「大豆肉の方が非常にヘルシーで健康に良い」という印象を持つ。

 確かに、肥満気味で過剰摂取を抑えたい人にはいいかもしれない。だが、一般的には必要カロリーを摂取することは健康面で非常に大切なことだ。

 もちろん、バランスのとれた食生活をすることが条件だが、10代後半から50代前後の健康な人にとって、1食のメイン料理が200kcal程度では、とても必要カロリーを摂取することはできず、しかもおなかがいっぱいにならないので、満足感も得られないだろう。

 それどころか空腹感が増して、もっと他のものをいっぱい食べてしまえば、食事バランスを崩すことにもなりかねない。

 2020年版の食事摂取基準では、1日の必要摂取量は、30~49歳の男性で2700kcal、女性で2050kcalである。カロリーのとりすぎもいけないが、摂取不足になっても健康上は問題だ。

 栄養面においても、植物性たんぱく質や植物性脂肪が良くて、動物性たんぱく質や動物性脂肪が悪いというわけではない。基本は、バランスのとれた食生活を送ることだ。肉類ばかり食べている人は、時々は代替肉にしてみるという程度でいいだろう。