準大手なら「両手仲介」はない

(失敗パターン3)多くの仲介会社にやってもらうパターン

 仲介会社に売買を依頼する際の契約形態はおおむね2つある。専任媒介という「あなたにだけ」という契約と一般媒介という「他の会社にも依頼します」という契約だ。多くの会社に依頼すると顧客が増えそうだが、専任契約になれば3%確定するのに対して、一般媒介は誰も一生懸命にはやらないので、ろくに広告すら打たれない。結局売れなくて、売れ残り物件のように見えるだけになってしまう。

 成功したいなら、失敗パターンの逆をやればいい。幸い、両手が取れるのは大手数社だけだ。同じ業務水準の準大手は、片手(3%)が基本できちんと仕事をやってくれる。そこでやるべきことは、専任媒介契約を結び、3%満額払うので、高値を追求して両手はやめてくれと伝えることだ。自分のエージェントとして、働いてもらうことだ。

 不動産の価格は相場があるものの、±10%程度の誤差は生まれやすい。10%も変わってしまうことの頻度はあまりなくても、5%はよくある話だ。3%の仲介手数料を渋ったために、5~10%の損を確定させてしまっては何のために依頼したのかわからない。「干され」てしまったら、最後は買い取り転売屋に相場の2割引で売らされる話になる。

 この結果は冒頭のようになる。手数料を3%(200万円)払ったら、458万円高く売れたことになり、差し引き+258万円だ。手数料を1%値引いてもらって相場通りに売れた場合と比較すると192万円も手元キャッシュが増えることになる。

 不動産は買うのは自分でリスクを負うから簡単だが、売るのは難しいといわれる。業界の裏事情からして、売り主に群がる構造は今後も変わらない。だからこそ、賢く振る舞い、結果を残したいものである。この方法は住まいサーフィンの会員限定で「高値売却」として行っている。