【ポイント1】
ルールや正論に終始しない
私はその客に対し、「セールは今週だけです」とか「前の週からもセールの告知していました」などと正論で対応してしまったのです。
しかし、すでに告知されているセールのルールに戦いを挑んでいる客に、いくら正論をかざしても、ラチがあきません。
むしろ、私の対応は常連客の気を害してしまい、ガチンコ対立のゴングをならしてしまいました。
たとえ相手がルールを取り違えていて、それを指摘する場合でも、相手の感情に気遣わなければいけません。
【ポイント2】
ルールや正論を客観的かつ批判的に見つめ
相手に寄り添う
気を害した常連客が、「店長を呼んでこい」と言ったので、店長に状況を説明して、対応を代わってもらいました。そのときに店長が言ったひと言。
「毎週お買い上げ、ありがとうございます。
スタッフから話を聞きました。
割引のセールについてですよね。
本当にちょっとわかりにくいセールでご迷惑おかけします。
私も、先週の5つも入れて20%引にさせていただきたいのですが、本社からのルールで申し訳ないです。
よろしければ、今週の5個と来週の5個で20%引きにし、来週の分の5つは、こちらで取り置きして来週にお渡ししましょうか?」
店長はルールを説明しながら、「本当にちょっとわかりにくいセール」と軽い文句をつけています。このことで、ルールを客観的、かつ批判的に見つめる姿勢を示しました。
つまり、ルールをいったん「向こう側」に位置づけ、自分は常連客と同じ立ち位置から話していることを印象づけたのです。
ロジックを武器に相手をやっつけるのではなく、相手と同じ目線を示すことで、相手との対立を悠々回避できるのです。
論理の外で相手とつながることができるように心がけましょう。