「自分がどれだけ危ないか?」を判断する方法

 こうした個人差をできるだけ簡単に評価するために、大阪の吹田市で行われた研究にもとづいて「吹田スコア」という判定基準が作られました(※2)

 人間の「血管の詰まり」リスクは、コレステロールだけでなく高血圧、遺伝などの「掛け算」で決まります。年齢、LDLの数値、血圧の数値などを当てはめて点数をつけ、今後10年間で心筋梗塞や脳梗塞などを起こす可能性がどのくらいかを判定し、薬の処方などを決めていきます。

参考:「吹田スコア」計算表 *クリックで飛びます

 項目の中には「喫煙」もあります。「なし」なら0点、「あり」なら5点の加算になります。もし、「LDLが高くてたばこを吸っている人」が吹田スコアで判定した結果、ぎりぎり「投薬の必要あり」になったとしましょう。禁煙して点数を5点減らし、薬を飲まないという選択もスコア上ではできます。

 コレステロールの治療薬を飲むと「肝酵素の数値が上がる」、あるいは「筋肉に障害が起こる」などの副作用が起こるリスクも少なからずあります。飲まずに済むのなら飲まないほうがいいです。

 また日本動脈硬化学会が出している「これりすくん」というアプリに健康診断のデータを入力すると、自分が将来心筋梗塞などの病気になるリスクを確認できるのでこちらも試してみてください。

 コレステロール値の上昇を抑えるには、「禁煙」「標準体重の維持」「肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を抑える」「魚類、大豆製品、野菜、果物、海藻の摂取を増やす」「食塩の摂取は1日6グラム以下」「アルコールの摂取は1日25グラム以下」などが有効とされています。