玩具業界に行きたい人は、おもちゃショーに参加すれば大手メーカーだけでなく、200社近くの関連企業を知ることができます。食品メーカーなら食品製造展示会に行けば、香料メーカー、色素メーカー、容器メーカー、包装メーカーなど、無数のサブカテゴリーの業界への道が開けます。

 就活の初期の時点で、このように縦のつながりを見て企業や業界を広げることをしておらず、現状で内定を得られていないなら、今からでもこの手法で企業をピックアップしてください。中小企業はまだ募集しているところも多いはずです。最低限ホームページはあるので、採用状況はチェックできるはずです。

 もちろん、何も出ていなければ電話をかければいいのです。多くの人は縦に広げた中小企業まで回っていません。優良企業が残っている可能性は高いのです。今の段階で就職ナビサイトなどに登録してチャンスを待つより、明らかによいマッチングになるはずです。

「内定が複数ある22年卒」は
どうやって本命を絞ればいいのか

 さて次に、22年卒のお子さんがいる家庭について、第二のパターンを考えてみましょう。幸いにして内定を複数持っているお子さんに対しては、親はどう接すればいいのでしょうか。

 ここで、間違えてはいけないのは、「決定権は親にはない」ということです。就職先は、絶対に子に決めさせてください。「どっちがいいと思う?」と聞かれても答えてはいけません。どの会社に行っても嫌な人はいるし、嫌なこともあります。どの会社もいいところもあれば、悪いところもあります。もし親が意見を言ってしまうと、子は就職先で嫌なことがあったとき、「あのときお父さんがこちらをいいと言ったから」「お母さんがあちらはやめたほうがいいと言ったから」と、人のせいにする余地を与えてしまいます。人のせいにしないために、自分で決めさせるのです。

「どっちの会社が伸びると思う?」という質問をされて、困っている親も多いでしょう。そんなことはわかるはずがないので、無理して答えてはいけません。わからないのは恥ずかしいことではありません。むしろそれがわかるくらいなら、あなたは今、株で大儲けしているはずです。