このWorks Indexを用いて、2016年から2020年までの働き方がどう変わったのかをみていきましょう。まず2016年と2020年の水準を比べてみると、5つの項目のうち、4つの項目で水準が上昇していることがわかります(図表2参照)。

 特にIndexI「就業の安定」(63.0pt→66.5pt、対2016年比+3.5pt)とIndexIII「ワークライフバランス」(64.0pt→67.4pt、同+3.5pt)の伸びは大きく、就業が安定し、ワークライフバランスが進んでいる様子がうかがえます。一方で、IndexIV「学習・訓練」(31.8pt→31.0pt、同▲0.8pt)は小幅ながらに減少しており、社会人の学びに課題が残っていると考えられます。

前進する「ワークライフバランス」
足踏みする「学習・訓練」

 次にそれぞれのIndexについて、2016年から2020年までの5年の変化をもう少し詳細にみていきましょう。

 IndexI「就業の安定」、IndexII「生計の自立」、IndexIII「ワークライフバランス」は、2016年から2020年まで継続的に上昇しています(図表3参照)。特に、「働き方改革関連法」が成立した2018年には、他の2つの項目を含むすべてのIndexが上昇し、働き方が進化した1年になったことがわかります。

 2019年にはその勢いに鈍りが見えましたが、2020年は新型コロナウイルス感染症が広がるなかで、非正規雇用者の処遇改善に関する法令が施行されたことや外出自粛による消費支出の減少を背景に、IndexI「就業の安定」とIndexII「生計の自立」は上昇傾向を維持しました。また、労働時間の縮減やテレワーク制度の普及拡大を受け、IndexIII「ワークライフバランス」は大きく上昇しました。