「短兵急」とは、いきなり行動に移すこと。非常に急なこと

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短兵急(たんぺいきゅう)

〔意味・由来〕 いきなり行動に移すこと。非常に急なこと。突然に何かを言いかけたり、結論を出したりすること。「短兵」+「急」の三字熟語。「短兵」は、相手に接近して使う短い武器を言う。対して、槍などの長い武器や弓矢などの飛び道具を「長兵」という。

 内田魯庵は『四十年前―新文学の曙光―』にて、鹿鳴館時代の欧化政策について論じている。「一時は猫も杓子も有頂天になって、(中略)ダンスの心得のないものは文化人らしくなかった」という文言だけでは表現できないほど、文明開化当初のダンス熱は凄まじかったようだ。一世を風靡した欧米化や、井上馨の政策は今となっては見る影なく、人々に嘲笑されてはいるが、彼ほど新文明の創造を試みた人もいない、と魯庵は評価する。あまりに「短兵急」だったために当時の人々の理解を得ることが難しかったが、文芸美術の勃興に一役買ったと分析もしている。物事を長期的に、広範にわたって視ることのできる魯庵の見極め力に学びを得た。

〔引用〕 ―――例えば先祖から持ち伝えた山を拓いて新らしい果樹園を造ろうとしたようなもので、その策は必ずしも無謀浅慮ではなかったが、ただ短兵急に功を急いで一時に根こそぎ老木を伐採したために不測の洪水を汎濫し、八方からの非難攻撃に包囲されて竟にアタラ九仭の功を一簣に欠くの失敗に終った。(内田魯庵『四十年前―新文学の曙光―』)

【この三字熟語わかりますか?】短□急<br />(ヒント)「短□急」に結論を急ぎ過ぎる上司って嫌われますよね

西角けい子(にしかど・けいこ)
ステージメソッド塾代表/学習コンサルタント/三字熟語研究家
オムロンを退職後、日本有数の大手塾の激戦区である兵庫県西宮北口にステージメソッド塾を開業。
国語力を急伸させる独自の「ニシカド式勉強法」により、わずか6ヵ月でごく普通の成績だった7名の塾生を日本一(全国版学力テスト)に育て、多くのマスコミから取材される。「お母さんの言葉がけ」と、「暗記力」「ノート力」「作文力」アップを重視した「ニシカド式勉強法」は定評があり、倍率10倍以上の超難関公立中高一貫校に、14年連続地域No.1の合格者を出している。片道3時間以上かけて通う小学生や新幹線や飛行機で通塾する中学生もおり、塾周辺に転居してくる家庭も多い。
ひょんなことから、国語の世界で影が薄い「三字熟語」のおもしろさに気づき、軽やかで、庶民的で、思わずクスッと笑ってしまう三字熟語にハマる。三字熟語ラブな思いが高じて、三字熟語クイズを作り始めた。夏目漱石や太宰治などの文豪が使う「三字熟語」の巧みな表現にしびれ、文豪の人間味や生き方に興味を抱き、文豪の出生地巡りや墓参りをしながら、「三字熟語」の探究を続けている。