売るのは、D社

「売買高は人気のバロメーター」「売買高増加は人気上昇を示す」と前段で述べました。

 ただし、それには例外があります。D社がその例外です。

 高値圏で売買高の増加と同時に、株価が急落しているD社の投資判断は「売り」です。

 売買高を伴う急落は強い売りシグナル。何らかの悪材料をつかんだ投資家が、大慌てで売ってきていると考えられるからです。

 この後、その悪材料が広く知られれば、売りに回る投資家が増えると予想されます。

 E社は、売買高の増加が人気上昇を示しています。何らかの好材料が出て、投資家が大急ぎで買ってきていると考えられます。

 株価は高値を抜けており、ここから一段高になることが期待できます。

個人投資家がついやりがちな損するトレード

 個人投資家の多くが、一番直さなければならない悪いクセは、「上がるとすぐ売りたくなる、下がると売れなくなる」ことです。

 資金が必要になった時、株価が上がっているE社を売り、下がっているD社を残す人が多い。

 結果として、好材料が出た銘柄を売り、悪材料が出た株を持ち続けることになります。

 悪材料が出て急落している株は、たとえ損切りであっても売るべきです。

 買い値まで戻ったら売ろうという考えを持つべきではありません。

(本稿は、『株トレ——世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)