NHK Eテレ『先人たちの底力 知恵泉』(11/9.16放送)でカリスマ経営コンサルタントとして紹介された神田昌典氏が、アメリカで百年以上続くコピーライティング技術を日本で普及させ、はや四半世紀。第一人者、25年の集大成が『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』という468Pの大著だ。
4つの力(判断力・思考力・表現力・発信力)が身につく【コピーライティング技術100】
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「どう言うか」だけでなく「何を言うか」まで完全網羅。紙・ウェブ・スマホ完全対応
比類なき最強の教科書。第一人者、25年の集大成
神田氏は言う。「タイトルを『大全』としたのは誇張ではない。従来のコピーライティングにとどまらない広範な分野──事業戦略、マーケティング戦略から効果計測・分析、テキストデザイン、表現技術や発想法まで──総計100に及ぶコピーライティング技術を横断的につなぎ合わせ、実用しやすい体系にまとめあげるには、果てしない作業が必要となった。そのモチベーションを持続できた理由を、こっそりと明かせば、著者たちの個人的な事情がある。実は、共著者2人は、人生の先行きが見えず、大きな壁にぶちあたっていたときに、コピーライティングに救われたからだ」
第一人者の神田昌典氏と、共著者で脳性麻痺の子どものために大企業の管理職を辞し、マーケティング・コピーライターとなった衣田順一氏。今回も読者の役立つポイントを本文から抜粋して紹介する。

なんと今でも使われている<br />第一次世界大戦前の<br />コピーライティング技術って?Photo: Adobe Stock

100年前に指摘されていた
テストの重要性

 アメリカでは、1917年にDMAA(Direct Mail Advertising Association)というダイレクトメールの団体が設立されている。

 DMAAはその後、DMA(Direct Marketing Association)となり、現在は全米広告主協会(ANA)の一部門(Data Marketing & Analytics Division)となっている。

 そして今でも、1929年から続く世界で最も権威あるマーケティング賞である国際ECHO賞を主催するなど、百年以上の歴史を持っている。

 また、1923年に、クロード・C・ホプキンス(1866~1932)が『広告マーケティング21の原則』(臼井茂之+小片啓輔監修、伊東奈美子訳、翔泳社)を出版し、コピーライティングについて解説している。1923年といえば第一次世界大戦(1914~1918)の少し後、日本では関東大震災(9月1日)があった年だ。

 ホプキンスの著書では、すでに広告をテストする重要性が書かれており、顧客から直接反応を得る「ダイレクト・レスポンス・マーケティング」という手法がすでに確立されていたことがわかる。

 さらに、「広告の父」デイヴィッド・オグルヴィ(1911~1999)が「いままでで1番役に立つ広告の本である」と評し、コピーライティングの名著として90年読み継がれている『ザ・コピーライティング』の原書“Tested Advertising Methods(5th Edition、1997年)”の第1版が出版されたのが1932年。ケープルズが32歳のときに書いた本だ。

 世界大恐慌の引き金となったウォール街の大暴落から3年、日本では五・一五事件で犬養毅首相が暗殺された頃である。

 コピーライティングがこれほど長く生き続けているのは、「モノを買う」という人間の営みは、昔も今も原理原則がほぼ変わらないことを示している。

 日本では、1995年に、私、神田がアメリカでコピーライティングの存在を知り、それを日本で普及させ、一般のビジネスパーソンにも徐々に認知されるようになった。とはいうものの、学校や職場で習う機会はなく、まだまだ一部の人たちにしか知られていないのが現状だ。

 当時、私は、外務省職員から外資系家電メーカーに転職し、家電製品を売ることになった。だが、思うように売れず、このままではクビというピンチに立たされた。そのとき、おもいきってコピーライティングを使ってみたのだ。

 アメリカで流行っている手法が、本当に日本でも通用するのか?

 はじめは半信半疑だった。

 だが、試行錯誤の末、劇的に売れるようになった。それで効果を確信し、コピーライティングをコンサルティングにも取り入れ、クライアント先の業績をぐんぐん伸ばしていったのである。

 次回は、売上を伸ばすために必要なホームページとは違うページについて紹介しよう。

P.S.『コピーライティング技術大全』の活用法を解説したセミナー動画をご覧いただけます。
(この動画は予告なく終了することがあります)

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)