セルフ抜擢のやり方は
シンプルな問いを自分に投げかける
次の質問を自身に投げかけるといいでしょう。
「1年後、私はどんなふうに大成功したいだろうか?」
すると、具体的なイメージが思い浮かんできます。
「今やっている仕事の次のステップとして、こういうことで成果を上げたい」
さらに質問を続けます。
「今の担当業務の1年後の大成功をイメージしたら、どうなりたいだろうか?」
「今の担当業務」で「1年後に」「大成功する」。
ここまで具体化すると、より鮮明に自分の成功イメージが浮かびます。
1年後という条件を加えて考えたことで、今の仕事の延長線上で将来のイメージが湧きやすくなったでしょう。
さっそく書き出します。
セルフ抜擢ですので、最後の1行は「宣言」で締めくくりましょう。
・営業している今のお客様の売上を倍増させる(2倍にする)
・担当業務で「社内ナンバーワン」と言われるようになる
・ユーザー数を10万人獲得する
というのを1年後までに達成します!
自分で上司になったつもりで「いいね!」とか大きく赤ペンで丸をつけて「承認」するのもいいでしょう。
あくまでセルフ抜擢ですので、発想は自由かつ大胆に、大きな目標を掲げてみます。
セルフ抜擢で、自然と、次のような質問が思い浮かぶでしょう。
「1年後の大成功を実現するためには、どういうスキルや経験が必要だろう?」
「○○の資格を取得したい」
「△△の経験を積んでおきたい」
こんなふうに逆算して、より具体的に考えることができます。
「1年後、どうなっていたいか」だと、「今のままでいい」「特にない」と答える人もいますが、「1年後の大成功」となると、おのずと次の挑戦と成長をイメージせざるをえなくなり、より具体的に「やりたいこと」「やるべきこと」が見えてくるのです。
時間を限定せずに聞くと、人は漠然と遠い先のことを聞かれているような気分になり、「何か壮大なことを言わないといけないのかな?」とプレッシャーを感じる人もいるようです。
一方、1年後すら遠くに感じられてイメージができないという人もいます。
その場合は、1年という区切りにこだわらず、半年後、3カ月後と時間軸を短くしてみてください。
短ければ短いほど、具体的にイメージしやすいと思います。
例えば、同じプロジェクトを数年続けている場合、「今のプロジェクトで培ったスキルを活かしてどんな大成功をしたいか?」「部署を異動して大成功するとしたら、どの部署がいいか?」と、自身の本音を聞き出しながら、逆算思考で成功をイメージできると思います。
1年後の大成功をイメージし、逆算思考で動こうとすれば、何をいつまでにセルフ抜擢すればいいのか、より具体的に見えてくるはずです。
※次回は、若手育成のための「抜擢」についてお伝えします。(次回は12月13日公開予定)
1974年神奈川県横浜市生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。1998年伊勢丹に入社、紳士服部門配属とともに通販サイト立ち上げに参加。1999年、社員数が20人程度だったサイバーエージェントにインターネット広告の営業担当として入社し、後に営業部門統括に就任。2005年に人事本部設立とともに人事本部長に就任。2008年から取締役を6年務め、2014年より執行役員、2016年から取締役に再任。2020年より現職。著書は『強みを活かす』(PHPビジネス新書)、『サイバーエージェント流 成長するしかけ』(日本実業出版社)、『クリエイティブ人事』(光文社新書、共著)等。ビジネス系ユーチューバー「ソヤマン」として情報発信もしている。
2005年の人事本部長就任より10年で20以上の新しい人事制度や仕組みを導入、のべ3000人以上の採用に関わり、300人以上の管理職育成に携わる。毎年1000人の社員とリアルおよびリモートでの交流をおこない、10年で3500人以上の学生とマンツーマンで対話するなど、若手との接点も多い。