脳と心臓を守る10の食スタイル、米国心臓協会が提唱Photo:PIXTA

 昨年11月、米国心臓協会は「心血管の健康増進のためのガイダンス2021」を公表。科学的根拠に基づき、脳と心臓を守る健康的な食事スタイルを勧めている。それによると――。

 1.肥満予防のために摂取カロリーと身体活動のバランスをとる。
 2.野菜や果物を含む多様な食品を食べること。サプリメントなどで特定の栄養素だけを偏って摂るのはお勧めしない。
 3.食物繊維が豊富な全粒穀物や全粒粉を使った食品を選ぼう。
 4.大豆やナッツ、魚介類、低脂肪の乳製品など、低脂肪で良質なたんぱく質を摂ろう。脂肪過多の加工肉は控えめに。
 5.調理用にはオリーブ油やひまわり油など良質の脂肪酸が含まれる植物性の油を選び、トランス脂肪酸入りのラードやバターは避ける。
 6.加工肉やジャンクフードなど超加工食品を避け、食材を生かした食品を選ぶ。
 7.糖質が過剰に加えられた清涼飲料水や食品は控えめに。
 8.塩分控えめ。
 9.アルコールの摂取量を減らし、節酒を心がけること。下戸ならそのままで。
 10.自炊のみならず、外食でもこの10カ条を心がけること。

 食事以外では適度なエクササイズと禁煙を勧めている。

 この食事スタイルは脳と心臓の健康を守る以外に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクでもある2型糖尿病や肥満を改善する効果が期待できる。今年もCOVID-19と共存する日々が続く以上、健康的な食生活は、目の前の危機を避ける手段の一つなのだ。

 さて、食改善を続けるコツは「無理をせずに1週間単位でメリハリをつける」こと。ハーブやスパイス、和風ならショウガや大葉で風味を加えるのも手だ。高脂肪、高カロリーの「米国式食事」にハーブやスパイスをたっぷり加えただけで、食後の血圧を下げる効果も報告されている。

 リモートワークが続いているなら、じっくり健康的なわが家の味を創り上げていくといいだろう。子どもの食育にもつながる。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)