「Dappi」の批判をしていた立憲民主に華麗なブーメランか

 ご存じのない方のために、「Dappiゲート」を簡単に説明をすると、フォロワー数17.9万人という影響力を誇る「Dappi」はプロフィールに「日本が大好きです。偏向報道をするマスコミは嫌いです。国会中継を見てます」とあるように、愛国心あふれる方たちの溜飲を下げる野党攻撃を繰り返していた。

 そこで小西洋之・参議院議員と杉尾秀哉・参議院議員が名誉毀損で訴えたところ、驚くような事実が明らかになった。発信元回線契約をしていたWEB制作会社が、自民党と取引があることがわかったのである。

「しんぶん赤旗 日曜版」や「Buzz Feed Japan」などの取材によれば、この会社は自民党東京都連、小渕優子議員の資金管理団体、自民党本部が出資して設立した集金代行会社「システム収納センター」などと取引があった。しかも社長は、自民党本部の事務方トップである元宿仁事務総長と親族関係という報道もある。

 かくして、野党やマスコミは昨年10月から、「自民党が金を出してネトウヨに野党批判をさせていた」という批判を展開していた。ちなみに、「Choose Life Project」でも、小西議員と杉尾議員の記者会見を取り上げている。

●「Dappiは、民間人でなく、完全に国政を理解した組織的な行為」小西洋之・杉尾秀哉参院議員(20年12月10日)

 こんな調子で、自民党のネット工作を批判しておきながら、自分たちも「公共のメディア」に1000万もカネを突っ込んでネガキャンを仕掛けていたとしたら――。一体どの口が言うのか、というほど華麗な特大ブーメランではないか。

 また、「ブーメラン」で済む話ではないという厳しい意見もある。明らかに特定のイデオロギーに傾倒している「ネトウヨ的アカウント」を利用するより、「公正」「報道」をうたう「公共のメディア」を利用しているという意味では、より悪質で卑劣だという批判もあるのだ。

 もちろん、抗議を受けた「Choose Life Project」の説明はこれからなので、津田氏らの調査が間違っているという可能性もゼロではない。抗議文によれば、1000万円は広告会社や制作会社を経由していた、というので運営側も立憲民主マネーだと気付かずに、受け取っていたということもある。

 ただ、現時点の状況を見ている限りは残念ながら、「Dappi」と同じ穴のムジナのような気がしてしまう。なぜかというと、「Dappiゲート」の扱い方から、「後ろめたさ」を感じるからだ。