「Choose Life Project」は「Dappi」をほぼ取り上げなかった

「Dappi」をめぐる疑惑というのは昨年、野党やマスコミ、ネットメディアではそれなりに注目されていた。例えば、「朝日新聞デジタル」で「Dappi」を検索すると記事が15件出てくる。「Buzz Feed」では記事は10件ヒットした(22年1月5日現在)。

 しかし、「Choose Life Project」でこのネタは先ほど紹介した昨年12月10日のコンテンツが1件しか出てこない。

 コンテンツについているタグで検索をすると、検察庁法改正関連のコンテンツは11件、政府が説明責任を果たしていないというコンテンツは13件、辺野古など基地問題も12件とそれなりにある。五輪の問題や政府のコロナ対策などはもっと多く扱っている。その時々の注目される政治ネタをちゃんと押さえているのだ。

 にもかかわらず、「Dappi」は1件だけ。これはかなり不自然だ。

 今回、抗議文を出した津田氏や望月氏は、さまざまなメディアで「Dappiゲート」を追及していた。他にも「Choose Life Project」に出演していた政治家、有識者で「Dappi」を問題視していた人は多い。彼らに声をかければ、他のマスコミやメディアと同じような「Dappi」の疑惑を追及するコンテンツはできたはずだ。しかし、そうしなかった。ということは、そうせざるを得ない「オトナの事情」があったということではないだろうか。

 もし津田氏らが指摘しているように、「Choose Life Project」に立憲民主党からの1000万円以上の番組制作費が渡っていたとしたら、このメディアで働く人々が積極的に「自民党ネット工作」をテーマにしたコンテンツをつくれるだろうか。

 つくれるわけがない。偉そうなことを言って批判すればするほど、それは大きなブーメランになって自分たちのもとに返ってくる恐れがある。

 つまり、「Choose Life Project」で「Dappi」関連コンテンツが1本しかないという事実が、津田氏らが指摘する、「立憲民主党から1000万円以上の番組制作費をもらった」という話に、妙に説得力を持たせてしまっているのだ。