ブースター接種が間に合わない!どう対応する?

 このオミクロン株に対するワクチン効果が低下することもすでにわかっているので、まず、ワクチンのブースター接種が進められている。

 イスラエルはオミクロン株による感染者が急増している中、すでに60歳以上の高齢者を対象として4回目の接種が開始されている。このイスラエルからはブースター接種をした場合、感染予防効果だけでなく、重症化予防効果も得られたデータが示されている。

 この結果をもって、まず、日本でも重症化のリスクの高い高齢者から3回目の接種が始まっているが、一般の高齢者には2022年2月くらいから、医療従事者や高齢者施設入所者の接種が終わり次第開始されるという見込みである。今後のワクチン供給量の問題もあるであろうが、オミクロン株の流行拡大には追い付かないと考える方が妥当である。

 ならば、今後の医療体制の確保というためにも、現時点から、酸素配管を施した大規模医療施設を急きょ準備するなどの第5波の時点で議論された大規模措置病院の設置などの必要性があるだろう。

 また、細胞内でのウイルス増殖を防ぐ効果を持つ抗ウイルス薬として米国のメルク社のモルヌピラビル(入院や死亡のリスクを30%低下させる)、ファイザー社のパクスロビド(同低下効果89%)などの治療薬はオミクロン株にも効果を持つと予想される。

 これらの薬を投与するためには、早期に検査を速やかにできるシステムが必要である。早期検査、早期確定診断をし、早期治療開始が必須である。オミクロンの場合、そのウイルスの増殖能力の速さからもこの点が重要となる。治療を開始するためにも、一般医療機関での検査と処方の普及を最終目標とした検査の拡充が、求められる。