セブン&アイ・ホールディングスのデジタルトランスフォーメーション(DX)大号令で、案件を受注したITベンダーは社員を続々とセブン&アイに送り込んだ。ダイヤモンド編集部は、主要ベンダーの1人当たり月単価を記した内部資料を入手。トップ企業は月350万円もの「破格条件」を引き出していた。特集『セブンDX敗戦』(全15回)の#6では、主要ベンダーの月単価をランキング形式で公開する。(ダイヤモンド編集部編集委員 名古屋和希)
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ベンダーの常駐者数・月単価リスト入手
1人当たり月350万円のベンダーは?
セブン&アイ・ホールディングスの「DXバブル」を巡って、取引先のITベンダーやコンサルティング会社は激しい受注合戦を繰り広げた。
どのベンダーがバブルの恩恵を享受したのかについては、本特集#4『【スクープ】セブン&アイDX案件の「受注額が高いITベンダー」ランキング、極秘リストで53社の実額判明』で触れた通りで、上位3社で200億円超をセブン&アイから引き出している。
ただし、#4のリストはあくまで総額だ。実は、その総額を「何人で稼ぎ出したのか」という効率性は、ベンダー各社によって異なる。
つまり、「1人当たり幾らで受注していたのか」「何人が関わったのか」には、大きな差がある。
それでは好条件を引き出し、効率的に稼ぎ出したベンダーはどこだろうか。
通常、ITベンダーは案件を受注すると「業務委託契約」などを結び、社員を受注先に常駐・派遣させ、そのプロジェクトを進める。従って、受注額はプロジェクトの難易度や期間、人員数などの要因で大きく変動することになる。
ダイヤモンド編集部が入手した内部資料には、セブン&アイに常駐するパートナー数に加え、社員相当のパートナーの1人当たり月単価の実額がベンダーの実名と共に記されていた。
今回はそのリストを基に、ベンダー別の常駐者数と1人当たり月単価のランキングを作成した。
トップのベンダーの1人当たり月単価は350万円を超えた。セブンは取引先の人員をどう“値付け”したのか。「破格の待遇」を引き出したベンダーはどこか。次ページでは企業の実名と実額が入ったランキングを公開する。