『就職四季報※』でわかる
ブラック企業の特徴
1.3年後離職率が40%以上
サラタメ:結論、1.3年後離職率、2.採用実績の2つは、最低限見ておきましょう!
「3年後離職率」とは、3年前の新卒社員が退職した割合です。ブラック企業ほど、この数値が高くなります。
※『就職四季報』とは?
・東洋経済新報社(1895年創立)が発行している企業データ集
・募集企業の広告ではなく、記者の取材をもとにした情報で信憑性が高い
・採用側に面と向かって聞きにくい情報(採用実績・有休取得状況・残業時間等)が掲載されている
・「総合版」「女子版」「優良・中堅企業版」などのバリエーションがある
サラタメ:厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」(2020年10月)によると、平均値は30%程度ですので、40%を超える企業は要注意です。
また、基本的に同じ業界なら、同程度の数値に落ち着く傾向にあるので、もし同じ業界の平均値が軒並み低いのに、その会社だけ突出している場合は20~30%程度であっても注意が必要です。
2.採用実績で新卒採用の割合が30%以上
ブラック企業の採用実績を見ると、「全社員数に対して、新入社員を採用する数が多い」という特徴が見受けられます。なぜなら社員が定着せず、大量の新入社員を“補給”しながら自転車操業しているからです。
一般企業は、全社員数に対し採用人数が5~10%くらいですが、ブラック企業は、20~30%を上回っていたりします。
残業時間も一応確認
「残業時間」は一応確認したほうがいいですが、優先度低めです。目安程度にご確認ください。参考程度にしかならない理由は次の2点です。
・様々な職種の残業時間が混在しているため、最も知りたい総合職の数値がわからない
・ガチのブラック企業が申請していない「サービス残業の時間」はカウントされない
同業界の会社と比較し、異常値ではないかだけ確認しておきましょう。
「面接」でわかるブラック企業の特徴
サラタメ:結論、1.面接官が横柄、2.やたら簡単に通過する、この2つです!
1.面接官が横柄
サラタメ:本来、「募集する企業」と私たち「応募する人間」の立場は対等です。にもかかわらず、明らかに横柄な態度を取ってきたら、ブラック企業フラグびんびんです……。
とはいえ、ブラック企業も人材を逃したくないので、あなたが入社を決めるまでは、外面よく対応してくるかもしれません。細かい動作や発言にまで注視しましょう。自分に向けられる言葉だけでなく、面接官同士のやり取りも要チェックです。
2.やたら簡単に通過する
「横柄でも威圧的でもなかった……これで安心!」というわけにもいきません。ブラック企業は人が定着しないため、新しい人材(カモ)を求め、常に飢えています。必要に応じて、やさしい笑顔や気遣いのある発言も見せてくれるでしょう。
サラタメ:着目すべきは、本当に「自分のビジネススキルを測る面接」がされているか? という点です。
なかには、威圧的なパターンとは真逆の厄介なパターンがあります。
面接といいながら、雑談のような世間話だけ。うわべだけの空回りしたホメ言葉を浴びせられ、自分のビジネススキルをアピールすることなく終了。なのに、内定! というパターン。これも危険です。人材が不足しているブラック企業の面接はただの儀式でしかなく、ほぼ全員通過だったりします。あまりに簡単すぎる選考プロセスは、ブラック企業の特徴の一つです。注意しましょう
〈メモ〉口コミサイトも役立つ
企業の口コミサイトも使えます。口コミサイトとは、在籍中の社員や退職した社員が、内部事情を暴露する掲示板のようなサイトです。
サラタメ:実際、私も転職する際に「OpenWork」(https://www.vorkers.com/)というサイトをめっちゃ見てました!
「求人情報」『就職四季報』に比べ、生々しい情報が書かれています。
職場の雰囲気、残業代の扱い、評価制度など、公式サイトでは触れられていない情報もたくさんあります。
注意点は、退職者が書いているケースが多いので、「ネガティブな面が多く書かれがち」なことです。
サラタメ:全情報を鵜呑みにせず、ネガティブな意見が集まりやすい傾向を念頭に置きながら、ぜひ活用してみてください!
(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)
・ブラック企業を特定するには、業界情報だけでは甘い
・「求人情報」『就職四季報』「面接」で得られる情報で見破ろう
・「口コミサイト」も役立つ