多くのビジネスパーソンの支持を集める、登録者60万人超えの「サラリーマンYouTuber」、サラタメさん。
注目の処女作『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』は600ページ超えの超大作で、まさに“鈍器本”だ。
「仕事がデキない」「残業だらけ」「上司とソリが合わない」「転職したい」「老後のお金が不安」といった、人生100年時代を生きるサラリーマンの悩みを、まるごと解決してくれる本書から、その一部を抜粋して紹介する。

逆に転職エージェントに“使われてしまう”人が陥っている致命的な勘違いPhoto: Adobe Stock
〈結論〉
・転職エージェントの使い方には要注意
・転職エージェントは、企業側からお金をもらうビジネスモデル
・そのため、転職希望者より企業側に動く傾向アリ
・担当者は優秀な人から微妙な人までピンキリ
・複数の大手エージェントに登録し、担当者を比較しよう

マモル:転職エージェントって、無料で面接対策とかまでしてくれるんですよね。サービスよすぎませんか!?

サラタメ:たしかにそうですね。ただ、使い方には注意が必要です。彼らも、ただの「親切」でやっているわけではなく、あくまで「ビジネス」としてやっているので。

マモル:ビジネス!? ってことは、お金のためってこと?

サラタメ:どストレートにいえば、そうです(笑)。私たち転職希望者は無料で使えますが、転職エージェントは企業側からたっぷりお金をもらっています。一般的に、採用決定者の年収の30%くらいを報酬で受け取るといわれています。

マモル:30%!ってことは年収600万円だったら180万円ですか。けっこういい商売ですね……!!

サラタメ:まぁだからこそ、手厚いサポートをしてくれるんですよね。で、私が声を大にしてお伝えしておきたいのは、転職エージェントにとっての「お客様」は、私たち転職希望者ではなく、採用する企業側なんだ、という点です。

マモル:そっか~。じゃあ「身内」とか「仲間」というより、あくまで「ビジネスパートナー」のような関係なんですね。

サラタメ:まさにそうです! 生々しい話、自分は「商品の一つ」として見られていると認識したほうがいいと思います。うまいこと使われてしまうのではなく、主導権を握って使いこなす意識が求められます。

逆に転職エージェントに“使われてしまう”人が陥っている致命的な勘違い転職エージェントの仕組み

転職エージェントの選び方

サラタメ:結論、1.大手を使う、2.複数のエージェントで比較する、という2つを意識してください。

●1.大手を使う
 まったく名前も聞いたことのない転職エージェントを使う必要はありません。

 転職エージェントのよし悪しは、次の2つで決まります。

1.どれだけ豊富に求人情報を抱えているか
2.どれだけ人材と募集企業をマッチさせてきた実績があるか

 珍しいエージェントを利用するなら、最低限、従業員数と創業年を確認してください。

・従業員数が少なく、ほぼ個人営業
・創業2、3年しか経っていない

 こういうところは、基本NGです。

 大手でも持っていない特殊な人脈があるなら別ですが、そんなケースはそうはありません。

サラタメ:私のブログで最新オススメ情報を掲載(https://salatame.co.jp/tenshoku/osusume-tenshoku-service/)していますが、基本的に「リクルートエージェント」と「doda」の大手2社に登録しておけば問題ないと思います。

 高い報酬目当てで、ブラック企業だろうと関係なく、転職希望者を押し込むブラック転職エージェントもあります。

 そんなリスクを避けるためにも、まず大手で試しましょう。

 大手エージェントは、非公開案件も含め、多くの求人情報を持っています。一度登録すれば、豊富なデータベースを使って自分で検索できるのも、中小エージェントにはない魅力です。

2.複数のエージェントで比較する

 大手エージェントに複数登録し、担当者の動きを比較しましょう。

 1社だけでは比較できないのでNGです(特に初めての転職の方)。

 最低2社登録し、エージェント側にも「複数社使っている」ことを伝え、競争意識を芽生えさせます。

 転職エージェント側からすれば、自社一本に絞ってもらったほうがラクですが、転職者側からすれば、競争意識を持って、自分にマッチする企業を一所懸命探してもらったほうがいいです。必ず複数登録して比較検討しましょう。

サラタメ:各転職エージェントで「20代に強い」「IT業界に強い」などいろいろアピールしていますが、ぶっちゃけそこまで大差ないかなと。それより断然、担当者の質のほうが気になります。かなりピンキリなので……。