東京・神奈川「中学受験」2月1日午後の最新状況【2022年入試版】1日午後入試では最多となる1400人前後の志願者が集まる東京都市大学付属中学校・高等学校(世田谷区成城)

 
前回は2月1日午前の東京と神奈川入試について取り上げた。今回は毎年その数を増している2月1日の午後入試である。その多くが前日の1月31日まで、中には2月1日の昼過ぎでも出願を受け付けており、“駆け込み受験”にも万全の構えとなっている。そのため、どこまで志願者が増えるのか、現時点では定かではないが、最新の情勢を12月実施の四模試の結果も踏まえながら見ていこう。(ダイヤモンド社教育情報)

すっかり定番となった2月1日午後入試

 2月1日は、午前に第一志望の本命校を受け、午後には押さえの併願校を受ける。こうした受験スタイルが、ここ数年ですっかり浸透したようだ。1日午前は、中位校を中心に3日に行われる公立中高一貫校に合わせた適性検査型入試ラッシュとなっているが、1日午後には、中堅・中位校が工夫を凝らした入試を用意して受験生を待ち構えている。

 まん延防止等重点措置が首都圏1都3県に適用された翌日、東京の感染者数が1日で1万人を超えるなど、緊急事態宣言下での21年入試時よりも急速な感染拡大となっている。当日受験できなかった場合の追試など、特別措置を用意する学校としない学校とがはっきり分かれているので、志願先の対応状況を念のため確認されることをお勧めしたい。

 1日午後入試は、21年の志願状況を見ると、多い学校は1000人以上もいる一方で、数人のみという学校も少なくない。前回の1日午前に続き、今回も21年の志願者数が100人以上の入試を中心に、四谷大塚の合不合80偏差値による難度で分けた四つの表を作成してある。

 各表には、20年と21年入試の志願者数と実倍率(受験者と合格者の比)、25日までに判明した22年志願者数に加えて、出願締め切りの日時も載せた。入試前日の1月31日、中には2月1日の昼過ぎでも出願を受け付けている学校もある。開智日本橋学園(特待生)でいえば、最終集合時間の15時35分までにネットで手続きを完了しておけば受験可能となる。Web出願が中心とはいえ、その要件はさまざまなので、気になる入試がある場合は速やかに各校のサイトでご確認いただきたい。

 現時点で志願者数が確定している入試はない。12月実施の四模試(四谷大塚、日能研、首都圏模試、サピックス)での志望結果によると、前年比で大きく増加した入試は以下の通りである。後述する出願状況と合わせてご覧いただきたい。

 男子受験生では、品川翔英(第2回)が2倍半台後半増と突出している。5割前後の増加は、神奈川大学附属(第1回)、目黒日本大学(第2回)、宝仙学園共学部理数インター(新4科特待)、武蔵野大学(第2回)、関東学院(一期B)、鎌倉学園(算数選抜)、三田国際(第2回IC)、開智日本橋(特待生)といった入試である。

 女子受験生では、三田国際(2回IC)が3倍増、麹町学園女子(2月1日午後特待)も3倍弱増と激増している。5割前後の増加は、宝仙学園共学部理数インター(新4科特待)、文教大学付属(2回)、実践女子学園(第2回午後)、開智日本橋(特待生)、神奈川大学附属(第1回)、三輪田学園(第1回午後)、普連土学園(1日午後算数)、東京電機大学(第2回)、東洋大学京北(第2回)といった入試である。

 1日午後入試には、大きく分けて3つのタイプがある。まず、1日午後が初回となる学校であり、ここが第一志望で最初の受験という場合もあるだろう。表1の上位校には、世田谷区にある東京農業大学第一(第1回)と男子校の東京都市大学付属(第1回)、横浜市にある神奈川大学附属(第1回)が並び、表2の中堅校では世田谷区の恵泉女学園(第1回)が該当、いずれも500人以上を集める人気ぶりだ。表3の中位校には東村山市の明治学院(第1回)があり、こちらも500人に迫る勢いとなっている。

 午前に初回を行い、午後も実施する学校は2つに分けられる。一つは受験生の負担軽減のため2科や1科で実施する例、もう一つは難度が高いコースや特待生向けで一般入試より上位の受験生を集めようという例だ。この2つを午後に合わせて行う学校もある。中には、1日午後入試が全入試で一番志願者を集めている学校もあるほどだ。