鉄道と雪の関係は都市部とローカル線で大きく異なる。雪に負けっぱなしなのが都会の電車だ。筆者の肌感覚だが、積雪が5センチにもなればダイヤが乱れはじめ、10センチを超えると間引き運転と相まって大混乱に陥る。

 ちなみに気象庁発表の東京都心における降雪の2001年12月以降のデータを見てみると、ひと冬の中で1回でも雪が降る確率は75%、1センチ以上の積雪がある確率は65%、5センチ以上の積雪がある確率は20%、10センチ以上の積雪がある確率は15%だ。

 つまり鉄道の運行に影響を及ぼす可能性が高い5センチ以上の雪は5年に1度の割合で降っていることになる。今年は4年ぶりの大雪だったので当たらずといえども遠からずというところだろう。

 一方、ローカル線は数十センチの雪が一気に降らない限りは降雪下でも運行可能だ。豪雪地帯では天候の影響を受けやすい航空機、高速道路と比較して鉄道は「雪に強い交通機関」とみなされることがある。

 代表格は、日本有数の豪雪地帯である東北・上越・北陸各方面の新幹線だ。だが、全ての新幹線が雪に強いかというとそうではない。

北陸新幹線の運休は
7年間でわずか2日

 最初に開業した東海道新幹線は、雪が高速鉄道に及ぼす影響が知られておらず(世界初なのだから当然だ!)、そもそも「突貫工事」だったので十分な検証がされなかった。

 そのため開業からわずか3カ月後の1965年1月、豪雪地帯である関ケ原付近(岐阜羽島~米原間)を高速走行する新幹線の車体から落下した雪が、線路に敷かれたバラスト(石)を跳ね飛ばし、車体を破損するというトラブルが相次いだのである。