日本はインフレ加速の世界がうらやむ「物価優等生」!?物価安定が“弱み”に転じる条件Photo:PIXTA

消費者物価は2%前後まで上昇
それでも欧米に比べ緩やか

 エネルギー価格の上昇などで、昨年11月の消費者物価指数で、コア指数(生鮮食品を除く総合)は、前年同月比+0.5%と前月の同+0.1%から一気に上昇率を高め、2020年2月以来の水準に達した。

 前年同月比上昇率が前月から0.4%ポイント上昇したうち、0.3%ポイントはエネルギー価格の上昇によるものだ。変動の激しい生鮮食品に加えてエネルギー関連も除くと、前年同月比+0.1%とほぼゼロだ。

 ただし、昨年4月の携帯電話通信料の大幅下落が、消費者物価指数を前年同月比で1.5%程度押し下げており、その影響は今年4月以降剥落していく。

 この分を調整した前年同月比+1%台半ば程度が、現在の日本の消費者物価上昇率の基調的なトレンドといえるだろう。

 今後の海外でのエネルギー関連・食料品価格の動きや為替動向次第だが、今春以降の消費者物価コア指数(生鮮食品を除く総合)は、一時的に+1%を上回り、一時的には物価目標の2%前後に達する可能性が出てきた。