戦国時代の7つの大国

 こうして春秋時代が後半に入っていく時期に、孔子は誕生しています。

 BC453年、春秋時代の大国、晋は家臣の謀反によって韓(かん)・魏(ぎ)・趙(ちょう)の3国に分割され、滅亡しました。

 下剋上が起きたのです。

 このあたりから、諸侯間の抗争はどちらが相手を支配下に置くかという次元から、どちらが相手を滅ぼし領土を奪い取るか、という侵略戦争に変質していきます。

このBC453年から、秦が天下を統一するBC221年までを、戦国時代と呼んでいます。

 力が正義となる殺伐たる戦国時代には7つの大国が勝ち残りました。

 斉・楚・秦・燕(えん)・韓・魏・趙です。

 彼らは戦国七雄と呼ばれました。

 すでに彼らには、周室を唯一の王家と尊重する気持ちはありませんでした。

 その証拠にそれぞれの君主が王と自称し始めたのです。

 東周はBC249年、秦に倒されて滅亡します。

 墨子は春秋時代の後半から、戦国時代の初めを生きました。

 孔子と墨子の哲学に、動乱の時代はどのような影響を与えたのでしょうか。

 この本では、哲学者、宗教家が熱く生きた3000年を出没年つき系図で紹介しました。

 僕は系図が大好きなので、「対立」「友人」などの人間関係マップも盛り込んでみたのでぜひご覧いただけたらと思います。

(本原稿は、13万部突破のロングセラー、出口治明著『哲学と宗教全史』からの抜粋です)