仕事や人間関係…しんどいことが多い、という人にぜひ読んでもらいたいのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」(わび著)だ。著者のわび氏は元幹部自衛官としてエリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterを開始して2年半でフォロワーは12万人を突破、10万超えいいねを連発し、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。仕事・人間関係で生き抜く知恵が詰まった本書。今回は、発売を記念して特別に本文より一部抜粋、編集して紹介する。

【元自衛官が語る】急な仕事でテンパらないための「余裕」のつくり方とは?Photo: Adobe Stock

「平時は80%で働き、時々本気を出す」

締め切りに追われるなどして焦っていると、ミスが多くなったり、つめが甘くなったり、急激にパフォーマンスが落ちますよね。

常に仕事で余裕を持つにはどうしたらいいのでしょうか。

自衛隊時代の私の尊敬する上司は、仕事が始まると、まずは部署のみんなでおいしいコーヒーを飲んでいました。

仕事が始まったからといって、いきなり全力で働くのではなく、リラックスした態勢で、自分の部署の状態を把握していました。

そして、急な仕事が入っても、あわてることなく、淡々とさばいていきます。本当に頼もしくて、カッコいい存在で、うらやましく思っていました。

でも、仕事があまりデキない私も、この上司のような働き方が少しずつできるようになりました。

ポイントは「平時は80%の力で働き、時々本気を出す」ことです。

どんな仕事でも絶対に必要となるのが、「時間」と「体力」と「思考」です。

以前、あわただしく働いているときは、この3つを常に100%使い切る形で働いていました。ただ、この働き方だと、急な仕事が入った場合にテンパります。

この時間と体力と思考を、80%に抑える形で働いてみました。

具体的には、スケジュールに業務を80%以上入れないようにして、常に20%の時間の余裕を持たせます。そして、急な仕事が入ったときや助けを必要としている同僚の仕事に、この20%を投入します。

これは陸上自衛隊の「予備」の考え方に近いです。