長期的目標を支える
スモールステップのメリット

 長期的目標の設定は、やり抜く力を発揮するためには欠かせないものだ。一方で、短期的目標にもメリットがある。長期的な目標を設定した上で、そこにたどり着くまでの細分化された目標を「スモールステップ」と呼ぶ。「フルマラソン完走」のような長期的目標に対し、「5km完走」「10km完走」などがスモールステップに当たる。

 スモールステップのメリットは、長期目標達成のための課題を発見しやすい点だ。フルマラソン完走のための課題は、スタミナ向上なのか、ランニングフォーム改善なのか。あるいはトレーニングプランの見直しかもしれない。スモールステップを踏まえることで、そうした課題抽出や軌道修正の気づきを得ることができる。

 仕事でも、同様のことを経験したビジネスパーソンは多いはず。長期的目標の実現には、短期的な目標達成が不可欠だろう。どちらか一方では仕事がうまく回らず、プロジェクトの撤退や中断を余儀なくされることもある。長期的目標とスモールステップを上手く組み合わせることが、継続のコツなのだ。

 スポーツでもビジネスでも、やり抜く力が強いと大きな目標や夢を達成しやすい。しかし「燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)」には注意してほしい。

 燃え尽き症候群とは、仕事やスポーツに熱心に打ち込んでいた人が、突然意欲や関心を失ってしまう状態を指す。原因はさまざまだが、心身へのストレス、望むような結果を得られないことに対する焦燥感のほか、目標を達成したことによる目的意識の喪失も影響する。

 燃え尽き症候群はうつ病の一種とも考えられており、朝起きられない、仕事(熱中していたもの)に行きたくなくなる、酒量が増加した、イライラしやすい、などが一般的な症状だ。スポーツ分野ではオーバートレーニング症候群との関係性も指摘されている。(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」