食費も「実感」が持てる金額を知る

「払うお金は大きく、使えるお金は小さく計算する」というのが、支出を実感する秘訣だ。

 払うお金とは、「月額」で提示されるお金を指している。例えばサブスクサービス料や生命保険料などは12を掛け算してみて、年間ではいくら払うことになるかを実感するといい。

 逆に、自分が使うお金は月額予算ではなく、30日の日割りや4週の週割で割ってみる。食費についても、月に3万、4万円、5万円が使えると思うのではなく、1日にいくら、週にいくらとして割り算すれば、金額を実感しやすくなるはずだ。

 ポイントを稼ぐためにキャッシュレス決済で買い物をしている人も多いだろう。財布から現金を出さないため気軽に買ってしまいがちだが、日割り金額を頭に入れておけば使える金額の目安になる。キャッシュレス払いこそ、使ったお金の実感を持つことは大事だ。可能なら、スマホ決済や電子マネーアプリなど事前チャージ式の決済を一つ、食費専用として定め、支払額や残高を目視しながら使うのも方法の一つだろう。

 さまざまな食品がこれからも値上げになる。それに応じた収入が増えればいいが、それまでは自分の買い物のクセを知り、安さに惑わされない「賢い支出」でしのごう。そして、家族の共感と協力が大事なことも、再び付け加えておきたい。