「苦手」の克服よりも「得意」を磨くべし

働いている以上、誰にでも苦手なことはあります。

苦手なものがあるのが嫌で、すべて努力で克服しようとしている人もいると思います。それは真面目すぎです。

苦手の克服は悪いことではありませんが、あまりおすすめはしません。

なぜなら、会社などの組織はいろいろな人の得意分野の集合体だからです。

基本的には、苦手なことがない人より、誰にも負けない武器を持っている人が重宝されます。

私は英語が本当に苦手でした。一般的には、英語が苦手な人が航空業界へ転職することは難しいです。でも、私は高待遇で転職することができました。それは、その会社がほしがっていた「危機管理」という武器を持っていたからです。

入社後、英語については得意な人が完全にサポートしてくれました。

そのおかげで、私は会社の課題であった危機管理体制の構築に専念できました。さらに仕事が評価されて、転職してすぐに昇任、昇給することができました。

でも、今は英語の勉強をしています。苦手の克服というより、英語は世界で働くうえでの共通言語であり、使えるようになったら自分の人生の幅が広がる、という感覚で前向きに楽しめています。

苦手なことの克服なんて、マイナスがゼロになるだけです。

そして、会社などの組織にとっても、あまり得にはなりません。

凡人が勝ち残るには、得意分野での一点突破が効率的で最良なんです。

(本原稿は、わび著『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』から一部抜粋・改変したものです)