ヘレネスからつくられた言葉がヘレニズム

 ヘレニズム時代は東西文化が融合した時代であり、世界市民(コスモポリタン)の意識が芽生えた時代と位置づける考え方もあります。

 ダレイオス大王とアレクサンドロス大王が、その端緒を開いたのであると。

 ちなみに古代ギリシャ人は、自分たちのことを「ヘレネス」と呼んでいました。

 ギリシャ神話に登場するヘレネの子孫という意味です。

 このヘレネスからつくられた言葉がヘレニズムです。

 それは近代になって使われるようになった歴史用語です。

 ヨーロッパ文化の源となった文化の一つ、という位置づけで使用されました。

 もちろん、アレクサンドロス大王の時代には存在しなかった言葉です。

 では、世界中にギリシャ人が散らばってしまった後で、どのような哲学が登場してきたのでしょうか。次回から紹介していきましょう。

 『哲学と宗教全史』では、哲学者、宗教家が熱く生きた3000年を、出没年付きカラー人物相関図・系図で紹介しました。

 僕は系図が大好きなので、「対立」「友人」などの人間関係マップも盛り込んでみたのでぜひご覧いただけたらと思います。

(本原稿は、13万部突破のロングセラー、出口治明著『哲学と宗教全史』からの抜粋です)