感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】「約束を守れない人」の特徴

お構いなしにドタキャンする人

きょうのひとことは、
「自分の言動の一致率を高めよう」

あなたが思う「誠実な人」って、どんな人でしょうか?

いろいろと考えられますが、大切な要素の1つは、「いったことを守る」ことだと思うんです。

逆に考えてみると、誠実でない人というのは、いったことを守らないことが多いです。きちんと考えもせず、適当なことを、その場のノリでいいがちだったりするんですね。

そもそも、「いったことを守ろう」という意識が薄かったりもします。「ちょっとぐらい守らなくても平気だろう」という認識がどこかにある人は、実現の可能性が低いことでも平気でいってしまう癖がついてしまっている面もあります。

本人に悪気がないのかもしれませんが、悪気がないからこそタチが悪いともいえるでしょう。いずれにしても、「誠実な人」とは、みなされないですよね。

日ごろの行いから、「あの人は、いったことを守れない人だ」ということを周りの人たちが学習してしまうわけです。そういう人は、“言葉の重み”を自ら軽んじてしまっていることになるので、周りの人にもなんとなく「軽い人」という認識が浸透してしまいがちです。

以前、ある人に「できないことをいうのよくないよね」みたいな話をしたことがあるんです。そうしたら、その相手が「そんなことをいったら、なんにもできなくなるじゃないか!」と急にスイッチが入って怒りはじめました。

ちょっと驚いたのですが、その場では相手の反応を受け止めて、「そうなのかな」「自分が厳しすぎるのかな」なんて思いました。

その後、気づいたのですが、じつはその人自身ができないことをいうタイプの人だったんです。おそらく、自分が責められているかのように感じたから、ちょっとキレ気味に反応したのでしょう。

そうした経験を踏まえて、あらためて考えてみたのですが、やはり「いったことを守る」つまり言動を一致させることは、大切なことだと思うのです。

ただし、ここが大切なポイントなのですが、言動を一致させるためにストイックにならなければならないというわけではありません。

なぜかというと、言動というのは、いくらでも調整ができるからです。「なにかしたいな」と思っても、それが実際には「できない」「できなそう」なのであれば、そのことを含めて、正直に相手に伝えればいいのです。

「これからこうしようと思うけれど、できないかもしれないね」みたいに、正直に表現するということがあってもよいのです。場合によっては、小さな成功体験を積み重ねて目標を達成するために、「これはいつまでにやり遂げます」みたいに宣言することがあってもいいでしょう。

いずれにしても、日ごろから自分の発言の信憑性が、なるべく高まることを意識することは大切です。

また、実際にできそうなことを含めて正直に話していれば、自分はどれくらいのことならできるのかを認識できるようになってきます。自分の実力以上のことを自分に課すのではなく、自分の実力を受け止めて言動できるようにもなるでしょう。

その点、言葉が軽い人というのは、自分の力を適切に把握できていなくて、気持ちが大きくなったりして計画も甘くなりがちです。正直に話すことを心がけていると、それが防げるという効果もあるということです。

わかりやすいのは、約束事です。言動を一致させられる人は、普段から約束事を守ります。

たとえば、会議の開始時刻に遅刻しない。事前に予定していた仕事の納期に遅れない。結果として遅れたとしても、事前に正直に進捗状況を報告しながら「納期に遅れるかもしれない」ということを相手に伝えて、問題が生じないように配慮する。

そうした当たり前のことをできるからこそ、信頼を得られるのです。言動を一致させる人は、前もってわかっている約束事があるのなら、当たり前のように仕事を早く終わらせるように動いたり、そもそも約束を守れそうな日だからこそ予定を入れるわけです。

一方、言動が一致しない人というのは、普段から約束事を守れないことが多いです。会議に平気で遅れてきたり、前もって約束していた飲み会も、「仕事が忙しい」とかいってお構いなしに遅刻した末に「ごめん、仕事が長引きそうだから、今日はムリだわ」とかいってドタキャンしたり。

言動が一致しない人は、約束を守ろうという概念がゆるくて、仕事が長引きそうだとかで約束を守れなさそうであっても、お構いなしに約束事を入れてしまいがちなんですね。

そうなると、やはり周りの人も「約束を守れない人」「言動が一致しない人」ということを学習してしまって、信頼を失ってしまうことになります。

もし約束事を入れるならば、確実に仕事が終わりそうな時刻にするとか、仕事を終らせる自信がないのであれば、そもそも予定を入れないというふうにすれば、信頼を得られるようになるでしょう。

きょうのひとことは、
「自分の言動の一致率を高めよう」
でした。

参考になったかしら?