【著者からのメッセージ】
人はたった「0.1秒」で判断されています!
印象戦略コンサルタントの乳原佳代と申します。
まずは、みなさん想像してみてください。今、あなたの目の前のドアから、これから取引を始める初対面の営業パーソンが入ってきました。
髪はボサボサ、ひげは不揃いに伸びていて、猫背気味。
スーツはぶかぶかなうえにシワだらけ。
つま先が傷んで汚れた靴と、書類でパンパンに膨れ上がった鞄。
おまけに表情も暗くて覇気が感じられない。
一瞬で、これだけの情報があなたの脳にインプットされました。果たしてあなたは、そんな相手にどんな印象を持ったでしょうか。
人の感情は第一印象に大きく左右されます。そして、それは最短0.1秒で判断されるともいわれています。つまり相手は会った瞬間、仕事を始める前からすでに、あなたに「こういう人」というレッテルを貼っている、ということです。ほとんどの方は、前出の営業パーソンに対して大事な取引を任せたい、これから長い付き合いをしたい、と好意的な感情を持たなかったのではないでしょうか。たとえ素晴らしい仕事のスキルを持っていたとしても、残念なことに、その人が言葉を発する前に、相手からすでに仕事ができなさそうな人、一緒に仕事をしたくない人という感情を持たれているのです。
逆にいえば、最初の印象を戦略的にコントロールして、あなたの良さを相手に十分伝えることができれば、その後の仕事や人間関係を優位に進めることができるということです。
「印象を一種のビジネスツールとして戦略化する」。これは、日本ではまだ馴染みのない考え方ですが、すでに欧米では政治家や一流のエグゼクティブが当たり前のビジネススキルとして使っているテクニックです。
本書でお伝えする「見た目」の印象戦略とは、単に容姿のことを指すのではなく、あなたの「印象」そのもののことです。服装や立ち居振る舞いで「親しみのある人」や「信頼できる人」という印象を相手に与える方法を、簡単なテクニックをお伝えしていきます。